ジョイエブリタイム株式会社

DIFFUSERのミラートレー。インテリア小物とアイウェアアクセサリーの境界で。

DIFFUSERのミラートレー。インテリア小物とアイウェアアクセサリーの境界で。

2023/11/30

アイウェアアクセサリーブランドDIFFUSERの2023AW新作に、気になるアイテムがある。「WOODEN TRAY & MIRROR FOR EYEWEAR」。ブランド初のミラートレーだ。そして今回、本作の製造を行う北海道旭川市の木製品メーカー「古径コスモ」にインタビューができた。製作秘話と合わせて、インテリアに昇華されたこのアイウェアアクセサリーの魅力をお伝えしたい。

WOODEN TRAY & MIRROR FOR EYEWEAR

先に「WOODEN TRAY & MIRROR FOR EYEWEAR」の特徴をご紹介しておきたい。

 

本作は、北海道の無垢のナラ材を切削して作り上げたミラートレーだ。アンティーク加工の塗装が施された雰囲気のあるプロダクトである。ミラーの背面には国産のヌバックを貼り合わせており、 鏡を使用しない時にはヌバックの印象的なカラーリングによって、デザイン性の高いディスプレイトレーへと変わる。またアクセントとなっているヌメ革は、ブランドではお馴染みのイタリア産フルベジタブルタンニングレザー。経年変化を楽しむことが可能だ。

鏡を立てても、仕舞っておいても、どちらでも楽しめるミラートレー。自宅にも職場にもマッチするだろう。アイウエアのみならず、ジュエリーをつけ外しする時にも使いたい。

 

そんな「WOODEN TRAY & MIRROR FOR EYEWEAR」の製作を担当したのが、北海道旭川市の木製品メーカー「古径コスモ(こけいこすも)」。設計士である喜多さんに、製作を振り返って話を聞いた。

|古径コスモ(北海道旭川市)

|古径コスモ工房

古径コスモが製作するミラートレー

「古径コスモ」は、北海道旭川市の木製品メーカー。オリジナル家具をはじめ、クラフト製品、額縁などを製造販売するほか、住宅や店舗のための什器など幅広い製品を手掛けている。

 

歴史は長く、前身となる会社「八咫屋(やたや)」の創業は明治26年。東京都銀座で洋額縁店として始まった。後に「八咫屋」から独立した「古径」が北海道旭川市に古径旭川工場を建設し、さらに独立を経て、現在の「古径コスモ」に至る。銀座の額縁専門店だった「八咫屋」はこうして、額縁のみならず幅広い木工製品を扱う会社に進化を遂げた。

|古径コスモ工房

「古径コスモ」の設計士、喜多さんは、自分たちのものづくりについてこう語る。

「額縁という美術品で始まった会社ですので、家具製作においても、機能だけでなくデザイン性のあるものを意識しています。さらに、木材についての知識も欠かすことができません。どうすれば丈夫に作ることができるかを計算した上で、いかに無駄にせず木の魅力を引き出せるか、いつも考えています」

 

家具の街旭川市で、伝統に裏打ちされた様式美と、現代の住環境に合った技術、木の知識を備えた「古径コスモ」。木製品メーカーとして、抜群の信頼を集める会社だと言えるだろう。

さて、DIFFUSER 2023AW「WOODEN TRAY & MIRROR FOR EYEWEAR」は、そんな「古径コスモ」で作られたプロダクトだ。「古径コスモ」のスピリットはどのように生かされているのだろう?ここからはその製作過程をご紹介したい。

|古径コスモにて、製作過程の「WOODEN TRAY & MIRROR FOR EYEWEAR」

ナラ材で表現するデザイナーのイメージ

「古径コスモ」はオリジナルプロダクト以外に、住居や店舗のための什器製作を受注しているが、インテリア小物などの依頼はこれまでほとんど受けたことがなかったそうだ。

 

「家具や什器の仕上がりは想像ができるのですが、インテリア小物における仕上がりは未知。まずはデザイナーさんの描くイメージをしっかり理解するところから始まりました」

DIFFUSERが「古径コスモ」に依頼をしたのは、今年の春頃。面識はなかったが、DIFFUSERの方で、作ってもらうならここだろう、と問い合わせをしたのだという。最初の設計図から何度か大きく方針を変え、およそ半年の時間を経て完成に至った。その背景には、喜多さんをはじめ「古径コスモ」の専門的なアドバイスがあったようだ。喜多さんはこう振り返る。

 

「イメージされているデザイン……例えば形状や塗装に、最も適切な木を提案したいと思いました。そこでナラ材をご紹介したんです。木の特性を説明するとすぐによく理解していただけて、そこからデザインの詳細が決まっていきました」

 

本作は、くり抜いた木の板に、国産のヌバックが張られたミラーが収納できるミラートレー。ミラーがきちんとはまり続けることや、平らな場所に置くことを考慮すると、湿度や気温の変化に影響を受けづらい木を選ぶ必要があった。また、アンティーク調の仕上がりという点でも、塗装において、より完成度の高い質感を期待できる材料を選びたかったのだという。

 

「ナラ材は、手に入りやすい木材の中では高級なものです。北海道ではふんだんに取れますが、木目が綺麗で品がいい。DIFFUSERのイメージにもよく合っていると考えました」

 

さらに喜多さんの工夫は、一枚板で作ったこと。昨今の伐採で大きな木は少なくなっているが、見せるには一枚がいいという希望で、こだわって一枚板を使った。本作がただの実用的なトレーではなく、美術品のような佇まいを見せるのは、こういった見えない工夫ゆえだろう。

手仕事によるアンティーク調の塗装

「WOODEN TRAY & MIRROR FOR EYEWEAR」のアンティーク調デザインは実にDIFFUSERらしい雰囲気だが、この雰囲気を叶えたのは、手仕事による丁寧な塗装技術だ。

 

「木目が深いナラ材を使うことで、塗装しても木の表情を楽しめる仕上がりになったと思います。スプレーガンで塗装するのですが、塗りつぶしすぎないという塩梅には気を使いました」

|アンティーク調の絶妙な塗装

DIFFUSERのデザイナー広瀬氏曰く、難しかったのはホワイトの表現で、最初のサンプルでは塗りつぶしすぎてお盆のような雰囲気になってしまっていたのだそうだ。何度ものやり直しを経て、「古径コスモ」ならではの技術で理想的な粗さとムラに近づけてもらい、どのカラーでもアンティーク調の表現が叶った。

 

「完成までに何ヶ月も要しましたが、とても達成感があります。最初の設計図を見ると非常にシンプルなものでしたが、話し合いつつ、厚みを変えたり、立体感を整えて、とても高級感のある仕上がりになりました」

 

完成品を見ながら、喜多さんはそのように語る。

 

DIFFUSERと「古径コスモ」双方によるこだわりの木製トレーは、ヌバック付きミラーと最後に組み合わせられることで、アイウェアアクセサリーという枠を飛び越えるほどオーラのあるアイテムに仕上がっている。インテリア小物に見事に昇華されたこのアイウェアアクセサリーは、DIFFUSERの今後にとって、何か新しいきっかけとなるような特別なアイテムかもしれない。

|ミラーにヌバックとフルベジタブルタンニングレザーを合わせて

あなたの生活に、何を映す?

本作においてDIFFUSERのアイウェアアクセサリーは、インテリア小物としての立ち位置をさらに確立したのではないかと思う。アイウェアにも使えるけれど、メガネライフにとどまらず生活そのものを豊かにするような、そんな魅力がDIFFUSERにはあるのではないだろうか。

 

また「古径コスモ」とDIFFUSERとの抜群のタッグはきっと本作にとどまらず、今後も何かしらのアイテムで私たちを楽しませてくれるだろうと期待している。

「WOODEN TRAY & MIRROR FOR EYEWEAR」はあなたの日常に、何を映すだろう?

 

メガネを使う人も、使わない人も。DIFFUSERのアイウェアアクセサリーで毎日をより彩り豊かなものとすべく、そのきっかけとして、是非とも本作を手に取っていただきたい。

山田ルーナ - 文

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