ジョイエブリタイム株式会社

直径3.2cmのロマン。江戸から続く鼈甲を現代で魅せる、DIFFUSERグラスホルダー。

直径3.2cmのロマン。江戸から続く鼈甲を現代で魅せる、DIFFUSERグラスホルダー。

2023/12/20

ラグジュアリーなアイウェアアクセサリーという立ち位置を確立したDIFFUSER(ディフューザー)だが、その魅力は最高峰の素材をモダンに昇華するそのセンスにあると思う。新作「TWISTED SPECKLED TORTOISESHELL GLASS HOLDER」は、そんなセンスが顕著にあらわれている作品だ。誰もが知る高級素材鼈甲(べっ甲)を使用しつつも、その敷居の高さを感じさせすぎず、日常使いしやすいファッションアイテムに仕上げている。今回は素材と技術の詳細を通じて、この直径3.2cmに込められたロマンをご紹介したい。

プレミアムグラスコード「TWISTED SPECKLED TORTOISESHELL GLASS HOLDER」

DIFFUSERの2023AW新作グラスコード「TWISTED SPECKLED TORTOISESHELL GLASS HOLDER」は、鼈甲とシルバー、そして牛革により作られたプレミアムアイテムだ。色気のある鼈甲素材にソリッドなシルバーパーツが組み合わせられることで、モダンな雰囲気に仕上がっている。艶っぽい鼈甲と牛革の相性も抜群。見ていても、身につけても、うっとりしてしまうような一本だ。

 

このアイテムを語る上で外せないのが、素材と、技術について。まずは素材から、その詳細をお伝えしていきたい。

希少性の高い鼈甲。あるものを最高に美しく

鼈甲という素材に馴染みのある方はどのくらいいるだろう。私個人としては、かんざしや帯留めなど伝統的な和小物でたまに見かけるくらいで、日常的に出会うことはほとんどない。

 

というのもこの素材が、すでに数が少なく、新たに出回ることのないものだからだ。

 

鼈甲とは、ウミガメの仲間であるタイマイの甲羅から作られる素材。タイマイの甲羅は珍しいモザイク模様で、赤みを帯びた黄色に濃褐色の斑点があるのが特徴だ。DIFFUSERが用いるのは、その中でも色の濃淡が混じり合うさまが美しいバラフ甲(茨布甲)。鼈甲ならではのまだら模様を楽しむことができる。

 

また甲羅そのものは薄いので、鼈甲素材は、甲羅を重ね合わせて一定の厚みにして加工される。そのため生まれるのが、独特の透け感だ。

そういうわけで大変美しい素材だが、鼈甲加工が最初に生まれたのは中国だった。日本には江戸時代、ポルトガル人によって、長崎に伝えられる。その後江戸時代約300年の間に、鼈甲加工は日本独自の発展を遂げ、日本だけの味わい深い伝統技術として今日まで続いてきた。

 

さて、先に数が少ないと言ったが、それはワシントン条約により国際取引が禁じられたことが原因である。タイマイが絶滅危惧種に指定されたことで、いくら伝統工芸とはいえ、それらを保護する必要が生まれてきた。そのため、これまで日本は原材料を輸入に頼っていたが、国内に残っている鼈甲だけで製造を続けるほかなくなったのだ。

 

しかしそれは、ある種素晴らしいことだと思う。あるものを、美しく纏う。例えばビンテージのリアルファーを大切に着続けるように、すでにあるものを大切に使い続けるのは、ある種SDGsとも言えるのではないだろうか?

 

すでにある鼈甲を、最高のかたちで届ける……現在日本で行われている鼈甲技術は、そういうものだ。限りがあるからこそ、職人たちは最後まで、持てる力を発揮しようと心を注いでいるのかもしれない。

 

そんな希少な鼈甲が使われた本作「TWISTED SPECKLED TORTOISESHELL GLASS HOLDER」もまた、やはり職人の見事な技術でやり遂げられている。次に、どのように作られているのか、その製造方法を、職人の技術と共に見てみたい。

江戸鼈甲、熟練の飾り職人

江戸時代の名残だろうか?現在、日本の鼈甲製品のうちの大半が、東京で製造されている。グラスコード「TWISTED SPECKLED TORTOISESHELL GLASS HOLDER」の鼈甲パーツもまた東京で製造されており、江戸鼈甲の熟練の飾り職人が、その加工を引き受けているのだ。

 

製造方法としては、細長い棒状の鼈甲を均等にねじり、リング状に変形するというもの。先ほど、鼈甲素材は薄い甲羅を重ね合わせて一定の厚みにして加工される……という説明をさせていただいたが、鼈甲加工において大切な技術に、水と熱で圧着をする、というものがある。張り合わせと呼ばれる技術だが、この水と熱と圧力のみで成される技術が、シンプルに見えつつ非常に難しく、そしてとても美しい。鼈甲の文様の良し悪しを決める繊細な作業だ。

 

「TWISTED SPECKLED TORTOISESHELL GLASS HOLDER」においてももちろん張り合わせが用いられていて、それも仕上がりをご覧いただければお分かりかと思うが、かなり高度な技術が落とし込まれている。混じり気のない透明感のある鼈甲は、高級素材ならではの格式と、天然素材ゆえの温かみをあわせもち、ずっと眺めていられるほど。

 

鼈甲をやるなら、とことん良いものを。そんなDIFFUSERのこだわりが聞こえてくるようだ。ラグジュアリー素材だがそれだけではない深みは、私たちに普遍的な価値を教えてくれるだろう。

シルバーが足されるというバランス。ラグジュアリーを日常使いに

このように鼈甲部分が作られたのち、そのリングパーツはシルバー職人にバトンが渡され、カーブ状のシルバーパーツを嵌め込むことで完成する。ちなみにシルバーは、スターリングシルバー。

鼈甲とシルバーを組み合わせるというのが、なんともDIFFUSERらしい。その比率も見事だ。大部分を占める鼈甲の天然素材特有の温かみと、ポイントとなるシルバーの少し冷たげな金属感が、不思議と調和している。アンバランスなバランス感というか、ちょっとした違和感で人を惹きつける魅力は、やはりDIFFUSERならではだろう。

 

シルバーは2色展開。ブラックか、ゴールドのメッキだ。各色とも鼈甲のまだら模様を構成する色によく溶け込み、違和感のない仕上がりとなっている。一見柄の一部のようで、しかし質感が異なるというのが、すごくお洒落。

それは、3.2cmのロマンとも呼べるかもしれない。親指と人差し指でつまめるほどの小さな、あなただけのロマン。ジュエリーとも呼びたくなるようなこのアイウェアアクセサリーで、ラグジュアリーアイテムを日常的に使う楽しみを、ひっそりと味わってみたい。

山田ルーナ - 文

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