DIFFUSER新作/スペシャルな蛇革の、スペシャルなアイウェアアクセサリー
2021/03/29
ものに惹きつけられて仕方のなくなるときが、たまにある。一目惚れというか、まるで恋みたいに、魅力の渦に飲み込まれてしまうのだ。
最近それを感じたのが、蛇革で作られた端正なアイウェアアクセサリー。滑らかな肌触り、ありそうでなかった上品な色味、陰影の美しい鱗・・・どれをとっても理想的な蛇革のアイテムが、そこにあった。
ああ、ここだけではとても語り尽くせない。
DIFFUSER(デフューザー)の新作、ちょっとすごい。
DIFFUSER待望のスペシャルな新作
ディフューザーは、2012年にスタートした東京のアイウェアアクセサリーブランド。メガネやサングラスなどファッションアイテムとして選択肢の多いアイウェアに比べ、その関連グッズが魅力的ではないという今までにない視点から、メンズファッションを切り口として、男性に向けグッズを展開しているブランドだ。メガネケースだけでなく、メガネスタンドやグラスコード、グラスホルダーまで、痒いところに手が届くような おしゃれなアイテムが揃っていて、国内外に多くのファンを持っている。眼鏡屋など、玄人の人気も高い。
そんなDIFFUSERのこの春の新作のひとつが、冒頭の蛇革のアイテムだ。
DIFUSSERの定番アイテムとして人気のある「EYEWEAR CASE」、「EYEWEAR STAND」 、そして「INNER POCKET EYEWEAR CASE」が、このシリーズだけの特別な素材、カラーリングで展開されている。
見た目のおしゃれさだけでなく、持っている人の心を豊かにするような、その佇まい。
魅力の秘密は、日本が誇る爬虫類専門タンナー〈太閤染革(たいこうせんかく)〉のレザーにあった。
爬虫類皮革のプロフェッショナル〈太閤染革〉の蛇革
ごく個人的な話だが、蛇革が好きだ。鱗が美しくて、その細やかさをいつまでも見ていたくなってしまう。 ちょっと話が逸れてしまうが、学生の頃ドリス・ヴァン・ノッテンの魅了されて、どうしても過去のアーカイヴが欲しくなったことがある。「Fall 2009 Ready-to-Wear」の、ヒールと靴底がパイソンでつくられたブーツ。結局某オークションサイトで運よく新品を見つけ購入できたのだが、それを初めて手にしたときの感動が忘れられない。こんなところにこんなレザーを使うなんて、という驚き。贅沢さ。使用されている蛇革はとても繊細で、上質で、使い込むほどにその鱗が浮き立ってくるんだろうなと想像できる。ブランドが伝説的とされる所以が、素材の使い方を通して垣間見えた気がした。
今回、DIFFUSERの新作を手に取り、私はあの時感じた驚きと贅沢さを思い出していた。こんなアイテムにこんな蛇革を使うなんて…という良い意味での驚き。大人だから味わえるとっておきの楽しみ、といった感じがする。
DIFUSSERの新作のレザーを提供しているのは、日本に6社しかない爬虫類専門タンナーのうちのひとつ、埼玉県草加市の〈太閤染革〉だ。爬虫類のソフトレザー開発のパイオニアで、国内外の有名ブランドにも卸している一流のタンナーである。
彼らは、50年以上爬虫類皮革だけを鞣し、染色してきた老舗だ。謂わばパイソン、トカゲ、クロコダイルなど、エキゾチックレザーのプロフェッショナル。そんな職人が、繊細なレザーに一枚一枚向き合い、加工をおこなっている。
蛇革って、どんなイメージを抱かれるだろう。固い?艶がある?筆者が思うに、良質な蛇革ほど、そういうイメージとは対極にある。
〈太閤染革〉ウェブサイトから言葉を借りると、爬虫類の皮膚は直接外気に触れないように固い鱗により保護されていて、この普段外気に触れていない皮膚を革として使用するため、陸上の生物である牛や豚などの常に外気に触れられた皮膚と比べて、 とても傷が付きやすく、繊細なものなのだそうだ。 そのため、爬虫類の革の加工には、爬虫類独自の鞣し技術と、長年の経験が必要とされる。〈太閤染革〉でも、 鞣し・染色・仕上げとさまざまな工程を施し、およそ2~3カ月もの時間をかけてそれらを仕上げている。
今回の蛇革に限らず、爬虫類皮革の面白さは、それぞれの革自体が既に魅力的で、デザインとして完成されているというところにあるかもしれない。そしてその魅力は個々で異なり、一つとして同じ表情のものはない。それはまさに、「天然素材」。
蛇のイメージのように、ぬるっとした艶やかな加工も世の中にはあるが、蛇革本来の魅力を味わえるのは、むしろ、その素朴な風合いなのかもしれない。使い込むほどに、鱗が浮き立ち、艶と陰影を徐々に増していくような。その様子を味わうことは、とても渋く、かっこいい楽しみなのではないだろうか。
今回のDIFFUSERの新作は、そんな〈太閤染革〉のレザーを使用してつくられたものだ。素材はニシキヘビ。4色展開で、すべて、職人の手塗りで丁寧に仕上げられている。
蛇革のイメージを覆すほど優しく、柔らかく、しっとり肌に吸い付くようなそれは、自分の中の蛇革の常識を覆す。
アイウェアアクセサリーにここまで本気の蛇革を使用しているブランドは、まずないだろうと筆者は思う。しかしそれがDIFFUSERの面白いところであり、そして、良い男の持てる最高の楽しみのひとつかもしれない。
DIFFUSERならではの、カラーコーディネート
さいごにカラー展開についても言及しておきたい。
今回の新作では、通常内側のレザーにはピッグスエードを使用しているところ、内側にまで、上質な牛革を使用している。そしてその色合わせが、展開の4色すべて、DIFUSSERという異色のアイウェアアクセサリーブランドらしく、センス抜群で、魅力たっぷりなのだ。
手塗りならではの表情豊かなホワイトの蛇革と、落ち着いた赤の牛革。
男性らしいカーキと、意外性のある妖艶な赤紫。 パキッとした赤の蛇革には、黄が混ざったような絶妙なブラウン。
ブルーとイエローは、王道のおしゃれな組み合わせだ。
とにかくどれも、魅力的。〈太閤染革〉の蛇革を見事に引き立たせるようなデザインだと感じる。
そしてそれらの色の組み合わせは、アイウェアアクセサリーだからこそ尚更すてきだ。
たとえば、「EYEWEAR CASE」。美しい鱗に包まれたケースを開けたとき、滑らかな牛革の色合いに、そのコントラストに、私たちは毎回ハッとさせられるに違いない。「EYEWEAR STAND」が見る角度によって印象が変わるのも面白いし、「INNER POCKET EYEWEAR CASE」の内側のカラーは、その構造上まるで自分と自分のメガネだけが知っている秘密みたいで、愛着が湧く。
これらはきっと、いつまで経っても飽きがこないだろう。それはまるで人生を彩るような、特別なアイテム。良い物だけが持つ使い手を豊かにしてくれる魔法が、DIFFUSERの新作にはある。
スペシャルな蛇革の、スペシャルなアイテムだから、普段使いはもちろん、お出かけ用にしてもいい。
だから、通常の「EYEWEAR CASE」、「EYEWEAR STAND」 、「INNER POCKET EYEWEAR CASE」を普段お使いいただいている方の、ドレスアップアイテムとしてもおすすめしたい。この新作をきっかけにDIFFUSERを知っていただく方もいらっしゃるだろうが、DIFFUSERのファンこそ、きっと欲しくならずにはいられないアイテムだろう。
男性が持っていたら、本当にかっこいいと思う。紳士の色気を助長するに違いない。
陳腐な表現だということを承知でいうが、通常のアイテムに比べて価格は高いけれど、お値段以上。ご自身の目で、手で、最高級の蛇革を…そしてそんな蛇革がアイウェアアクセサリーに使われているという洒落た驚きを、感じていただきたい。
発売は全国販売店、及びオンラインストアで5月発売予定。品切れになり、後悔する前に、是非。
山田ルーナ - 文