韓国のアイウェア市場の今。ジャズとコーヒー、アート、そしてDIFFUSER。
2024/03/30
アイウェアアクセサリーブランドDIFFUSERの広瀬氏が、2月に韓国(ソウル)へ行ったという情報をキャッチ。この韓国訪問を通じて、DIFFUSERにどのような収穫があったか、また現在韓国のアイウェア市場にはどのようなトレンドがあるのか、話を聞いた。写真は全てこの2月に広瀬氏が撮影したストリートスナップ。レポートと共に現地感をお楽しみいただきたい。
韓国のアイウェア業界の魅力
韓国は日本の隣にある国だが、その魅力は距離ではない。日本とは全く異なる独自の感性に、DIFFUSERは魅力を感じているようだ。
例えば食文化が異なるように、ファッションにおいても、日本と韓国とでは別の文化が存在する。というよりも最近では韓国発信のファッショントレンドも少なくなく、そういう意味で韓国は、昨今の流行の発信地だとまで言えるのかもしれない。ここ数年のファッションウィークでは韓国スターがフロントロウに姿を見せることも増えており、その影響力の高さが窺い知れる。
その波はアイウェア業界にも押し寄せており、韓国独自のアイウェア市場は、世界に大きな影響を与えている。韓国初のアイウェアブランドが、日本を含め世界中で圧倒的な人気を集めていることからも分かるように、今注目すべきアイウェア市場は、韓国にあるのだ。
自分たちの手でDIFFUSERのマーケットを作る
韓国ではアイウェアというジャンルが、日本よりもずっとアーティスティックで、ファッショナブル。だからこそDIFFUSERは、以前から韓国の取引先開拓を大切なミッションとしていた。広瀬氏はこう話す。
「世界に影響力のある韓国だからこそ、自分たちが望むようなマーケットを、自分たちの手で直接作りたいと思うんです」
実は今回の韓国訪問は、既存の取り扱い店舗をまわる以外に、今後付き合っていきたい店を自分の足で訪れるという目的があった。韓国のエージェントがいなくなり、もうじき1年。新規取り扱い店舗を、先のとおり自分自身の手で探すために、感性の赴くままにアイウェアストアを訪ね歩いたそうだ。
確かに、他国での販売をエージェントに一任する場合、そこにはいつも、思いもよらないところでマーケットを作られてしまうという危うさが存在する。時には世界観を少し外れたプロモーションが行われてしまうこともあるだろう。ブランドを本当の意味で育てていくのであれば、広瀬氏の言葉を借りるならば「自分たちの手で直接」マーケットを作り上げるのが一番良いのだ。
そんな韓国のDIFFUSERに対する反応は?
韓国のアイウェアストアは日本のアイウェアストアに比べ、一見眼鏡屋だと思えないほど洒落た店も多い。またこれは個人的な意見だが、日本よりも韓国の方が、アイウェアをかけるということがイカした行為であるように思う。さて、そんな感度の高い韓国という土地で店を訪ね歩いたDIFFUSER。今回訪問先でどのように受け入れられたのだろうか?
「以前からカッコいいなと思っていた店を数件まわりました。ファッションを軸に置いているような、日本ではあまり見ないタイプのアイウェアストアです。DIFFUSERのことは知らないだろうと思って声をかけたのですが、意外にもそのほとんどのお店で『DIFFUSER知ってるよ!』と言ってもらえて」
訪問先のほとんどのアイウェアストアで、SNS見てるよ、アイウェアケース見たことあるよ、と言われ、広瀬氏は驚いたのだそうだ。中にはインスタフォローしているよ、と画面を見せてくれた人も。
アイウェアアクセサリー専門ブランドというのは世界的にもやはり珍しく、その存在は唯一無二。韓国のアイウェア業界においても注目のブランドということだろう。
スケジュール的に早速商談ということにはならなかったが、手応えは十分にあったようだ。今年の秋にはまたパリで展示会もあるので、その時の再会を楽しみにしている、と広瀬氏は話す。自分たちの手で理想のマーケットを作り上げているDIFFUSER。今回の訪問先が取引先になる日も、そう遠くないのかもしれない。
ジャズとコーヒー、アート、そしてDIFFUSER
既存の取引先についても、少し触れたい。この写真は、以前FEATURE記事(「トレンドを作る店に、DIFFUSERあり。【現地レポート(韓国・台湾編)】」)でも紹介した『AFRICA』というアイウェアストアだ。まさに、一見眼鏡屋だと思えないほどの洒落た店。しかしこの空気感こそ、韓国が世界に発信するアイウェアトレンドを表すようなものだと思う。
写真でも分かるように、ウィンドウにDIFFUSER商品が沢山並べられている。パリの大規模展示会「シルモパリ」で出会った『AFRICA』はDIFFUSERのことを高く評価しており、買い付けのラインナップも豊富。グラスコードだけでなく、ケースなどの革小物も揃う。
『AFRICA』の魅力は、空間の面白さだ。店内の柱にはオーディオを、また随所に立体アートを取り入れており、良い音でジャズを聴き、アートを楽しみながら、買い物を楽しむことができる。また、店内右側にコーヒースタンドがあるのをご覧いただけるだろうか。韓国はコーヒーショップが多いが、なんとここ『AFRICA』でも挽きたてのコーヒーを出してくれるのだそうだ。五感が喜ぶような空間に流れる時間は、ただの買い物体験を超えた特別なものになるだろう。
感度の高い韓国のアイウェア業界を象徴する『AFRICA』は、アイウェアが日常の楽しみに強く結びつくものだということを教えてくれるようなアイウェアストアだ。音楽やコーヒーなど、毎日のささやかな楽しみと並ぶように、アイウェアが存在する。そしてそれこそが、世界を先駆けるこれからのアイウェアトレンドなのかもしれない。
DIFFUSERは、そんな『AFRICA』のスタイルと相性の良いブランドだ。アイウェアを身につけることがゴールなのではなく、アイウェアを身につけた先の暮らしに、理想を見出すということ。
……ジャズとコーヒー、アート、そしてDIFFUSER。その空間には、理想の暮らしが投影できる気がする。『AFRICA』もまたそういう考えで、一番目立つ場所にDIFFUSERを置いてくれているのではないだろうか。
DIFFUSERが、唯一無二のトレンドとなって
『AFRICA』以外にも、ソウルタワー根本にある『RODEO EYEWEAR』を訪れたり、韓国最大手とも言えるアイウェアショップ『Papyrus』とより密に話し合う機会を設けたりと、今後への期待が高まる充実の韓国訪問になったようだ
「街を見ているだけで面白いのが、韓国の魅力。ファッションへの熱量も高く、それがそのままアイウェアストアにも影響しています。人々が皆、心ときめくものに敏感で、だからこそさらにDIFFUSERを広めていきたいと改めて思いました」
感度の高いファッションの街ソウル。カッコいい店ではどこでもDIFFUSERが見られるという日が、きっとすぐにやってくると思う。唯一無二のトレンドとなるその日まで、DIFFUSERはこれからも自分たちの手でマーケットを作っていく。
山田ルーナ - 文