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2024年シルモ・パリ。国際的なブランドとしての地位を確立していくDIFFUSER / Mr.Gentleman EYEWEAR

2024年シルモ・パリ。国際的なブランドとしての地位を確立していくDIFFUSER / Mr.Gentleman EYEWEAR

2024/10/30

2024年9月、パリ。日本のアイウェアアクセサリーブランド〈DIFFUSER〉は、昨年に続きメガネの国際見本市「シルモ・パリ」に参加した。世界中から選り抜きのアイウェアブランドとバイヤーが集う本イベント。2020年から4回連続の参加となる〈DIFFUSER〉だが、今回はどのような出会いがあったのだろう。〈DIFFUSER〉代表兼デザイナーの広瀬氏が現地で感じたことを、現地の写真とともにレポートする。

 

▶︎前年のレポートはこちら「シルモ・パリ - 異彩を放つ日本のアイウェアブランド。DIFFUSER / Mr.Gentleman EYEWEAR / MetropolitanCROSSbottle」

2024年「シルモ・パリ」ディスプレイは趣向を変えて

パリのファッションウィークに合わせて年に一度開催される、メガネの国際見本市「シルモ・パリ」。この見本市は1967年から続く伝統的かつ大規模な展示会であり、強いて言うならアイウェア業界にとって、ファッション業界におけるパリコレのようなイベントだ。アイウェア業界で最も影響力を持つ見本市の一つである。

そんな「シルモ・パリ」に今回4回目の参加となる、日本のアイウェアアクセサリーブランド〈DIFFUSER〉。同じく日本のアイウェアブランド〈Mr.Gentleman EYEWEAR〉とともに、今年もブースを構えた。今回のディスプレイについて、〈DIFFUSER〉代表兼デザイナーの広瀬氏はこう振り返る。

 

「昨年までは、2つのブランドを区切るようにディスプレイしていました。同じブースではあるけれど背景色を分けて、別ブランドと分かるように。それを今回は、あえて共通の空間になるように工夫したんです。4回目だからこそ、見せ方を変えてみたいと考えました」

メガネだけ、アイウェア小物だけ、ではなく、2つのブランドで魅せることのできる強みを生かしたディスプレイ。これは広瀬氏にとってもチャレンジングな試みではあったが、結果、功を奏した。

 

「ブースの中に入って長く時間を過ごしてくださるお客様が、これまでよりも多かったように感じます」

 

2ブランドが溶け合うように並んだだけでなく、実は今回商品ディスプレイにも新しい要素が。以前は入口近くのカウンターに並べていた商品を少なくし、その分ブースの内部に展示を充実させたのだそうだ。

「DIFFUSER」をすでに知っている人たち

広瀬氏は今回の「シルモ・パリ」で〈DIFFUSER〉に対する人々の反応に確かな変化を感じたようだ。

 

「DIFFUSERについて今年のシルモ・パリで印象的だったのは、『どういうブランドですか?』とほとんど聞かれなかったことです。アイウェアアクセサリー専門ブランドは世界的に見ても珍しく、これまではその珍しさにより立ち寄っていただいているように感じていましたが、今年は明確にDIFFUSERを見たいという目的を持ってブースに訪ねてきてくれたように思います」

来場者の多くが、SNSを通じて事前に〈DIFFUSER〉を知っている。それはおそらく〈DIFFUSER〉のアカウントだけでなく、世界中のアイウェアストアがそれぞれに発信する内容の効果も大きいだろう。ファッション好きな層からの関心は特に高い。

 

〈DIFFUSER〉認知度の高まりについて、その理由はオリジナリティのある商品展開に尽きると思う。

 

グラスコードやグラスホルダーだけを展開するブランドは他にも存在するものの、〈DIFFUSER〉のように多角的な商品展開を行っているブランドはまずない。例えばハンドル付きのアイウェアケースやサコッシュ、またグラスコードは〈DIFFUSER〉の手にかかればブレスレットにも姿を変え、グラスホルダーもアイウェアがなくとも完成されたデザインだ。

 

そういう意味で、世界中のアイウェアファン、そしてファッショニスタたちは、〈DIFFUSER〉にまだ見ぬトレンドを求めているのかもしれない。実際この秋の新作も大変好評で、まだ日本では発売前にも関わらず、すでに再発注が必要なほどなのだそうだ。

 

カッコいいアイウェアアクセサリーなら日本の〈DIFFUSER〉。そんな共通認識が、世界的に広まりつつあるようだ。

今求められるメイドインジャパン"プラスアルファ"

〈DIFFUSER〉だけでなく〈Mr.Gentleman EYEWEAR〉にとっても、2024年「シルモ・パリ」は成長を感じられるものであった。

 

「Mr.Gentleman EYEWEARは、線の細い上品な印象のアイウェアに多くオーダーがつきました。人気のツインブリッジやL字蝶番のシリーズなど、デザインの美しいアイテムが特に人気です」

 

この頃〈Mr.Gentleman EYEWEAR〉が展開を増やしている細くて上品なアイウェアは、特にヨーロッパで人気を集めているのだそうだ。

〈Mr.Gentleman EYEWEAR〉のアイウェアは、デザイナー高根氏こだわりの工場にて職人が作るメイドインジャパンの品物だが、そのクオリティはもちろんのこととして、デザインの良さで話題となっている。昨今メイドインジャパンだけでは売れなくなってきている、と広瀬氏は話す。

 

「少し前まではメイドインジャパンというとそれだけでブランドでしたが、今は世界中のブランドがそのクオリティを求めて日本で生産を行なっており、もうメイドインジャパンだけでは弱いというのが現実です。今回のシルモパリでは日本からも多くのアイウェアブランドが参加していましたが、おそらく多くのブランドがそのように感じたのではないでしょうか。今アイウェアにおいて求められているのは、メイドインジャパン"プラスアルファ"。このプラスアルファの部分が、Mr.Gentleman EYEWEARは強いのだと思います」

そしてまた新たな一年へ

メイドインジャパン"プラスアルファ"について述べたが、〈DIFFUSER〉と〈Mr.Gentleman EYEWEAR〉が評価されている点において共通しているのは、おそらくそこだと思う。つまり、他の追随を許さないオリジナリティだ。

 

例えばフランスは、眼鏡店舗の競争が激しい市場。6700万人の人口に対して13000店舗もの眼鏡店が存在しており、そのため他のショップとの差別化が不可欠である。日本製の商品が一般的になりつつある中で今求められるのは、希少性やデザイン性に優れた商品なのだ。

〈DIFFUSER〉においては、世界各国の有名店との継続的な取引を達成しただけでなく、新たなコラボレーションの提案も受けているのだという。これらの出会いは、ブランドのさらなる成長へと繋がるだろう。

 

「シルモ・パリ」後、広瀬氏は休むことなく東京の展示会を終え、このあとはニューヨークでのカタログ撮影や韓国出張が控えている。ブランドの認知度が高まり、世界中のバイヤーから注目されている今、広瀬氏はおそらく一つ一つの成果を大切にしながら、さらなる市場拡大を図っていくはずだ。

〈DIFFUSER〉〈Mr.Gentleman EYEWEAR〉ともに、これからも新たなアイデアやデザインを取り入れ、国際的なブランドとしての地位を確立していく様子を、楽しみに見ていきたい。

山田ルーナ - 文

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