ジョイエブリタイム株式会社

まどろみの先に。Corner 25SS『GOLDEN SLUMBERS』コレクション「Hawk Eye」「Night Bird」

まどろみの先に。Corner 25SS『GOLDEN SLUMBERS』コレクション「Hawk Eye」「Night Bird」

2025/05/20

Cornerが、2025SS新作「Hawk Eye」と「Night Bird」を発表した。夜明け前の一瞬を感じさせるこれらのアイウェアは、どのようなコンセプトをもとに生まれたのだろうか。それぞれの特徴と共通する魅力を、コレクション写真と共にご紹介する。

25SS『GOLDEN SLUMBERS』に宿る、ロック黎明期の記憶

夜のクラブに鳴り響くブルース、カントリー、そして、まだ名もなきロックンロール。1950年代後期、古き良きアメリカの音楽業界人たちが夜な夜な集った大人たちの社交場には、少し危うげで怪しい香りが漂っていた。

 

Cornerの25SSコレクションのコンセプトは『GOLDEN SLUMBERS』。当時のアメリカのクラブに宿っていた、新しい時代を迎える前の、あの一瞬のまどろみである。

 

その空気を纏うようにして登場したのが、今回ご紹介する2つの新作「Hawk Eye」と「Night Bird」だ。

|Hawk Eye(Research series)

|Night Bird(Sublimation series)

ヴィンテージアイウェアの意匠を現代に昇華させることをテーマに、2022年に福岡でスタートしたCorner (コーナー)。毎シーズン一貫して、ひとつのモデルを基点に「Research series」と「Sublimation series」の二本柱で展開を続けてきた、世界観のあるアイウェアブランドである。。

 

前者は徹底した資料調査と解析に基づいた“復刻”モデル、後者はそれを基盤に新しい造形やニュアンスを加えた“昇華”モデル。いずれも、ただの懐古主義ではなく、現代のスタイルと調和するよう緻密に設計されていることが特徴だ。

今シーズンは、「Hawk Eye」がResearch seriesに、「Night Bird」がSublimation seriesにあたる。代表の山本氏は、本シリーズの背景についてこう語る。

 

「50年代後期のアメリカ。当時の音楽業界人たちがこのようなデザインのフレームを本当にかけていたかどうかは別として、当時の大人の社交場をイメージしたときに浮かび上がったのが、少し怪しくて危険な香りのするHawk EyeとNight Birdでした」

 

音楽の境界が揺らぎ、変わりつつあったあの夜の空気を落とし込んだ、Cornerの25SSコレクション『GOLDEN SLUMBERS』。ここからは、「Hawk Eye」と「Night Bird」、それぞれの魅力に迫っていきたい。

50年代USヴィンテージへのオマージュ。Research series「Hawk Eye」

Researchシリーズから登場する「Hawk Eye」は、1950年代アメリカのヴィンテージフレーム、特にBausch&Lomb社が手掛けた「Hawk Eye」をオマージュしている。オリジナルの持つ空気感を現代に蘇らせるため、細部に至るまで徹底的なリサーチが行われた。

オリジナル同様、ブロー(眉部分)に1mmの段落とし加工を施し、フレームに立体感と深みを与えている。ここで手を抜けば滑らかなだけの”滑り台”のような段差になってしまうところを、Cornerは職人による手磨きを重ねることで、繊細でありながら力強いメリハリのあるラインを実現した。

|滑らかだがエッジの効いた段落とし加工

|一般的な加工のもの

この加工には膨大な時間と根気が必要だ。ガラ入れ(粗研磨)の時間を最小限に抑え、代わりに職人の手仕事による磨き工程を増やしている。細かな傷を一つ一つ、紙やすりや荒バフで丁寧に取り除く地道な作業の積み重ね。それは表面に見える派手さではなく、手に取ったときの密やかな感動を生む。

 

また、リサーチシリーズでは従来、刻印はインクを入れない空打ちだったが、「Hawk Eye」からは白インクが採用されている。顔馴染みの良い単色カラーと相まって、より完成度の高い仕上がりとなった。

次のトレンドを指し示す。Sublimation series「Night Bird」

一方、Sublimationシリーズから登場する「Night Bird」は、「Hawk Eye」をベースに、次の時代を見据えた進化形としてデザインされた。

 

わずかにフォックス風の吊り上がったシェイプは、エレガントでありながら程よい癖を含み、掛ける人のスタイリングに自然に馴染むよう計算されている。

段落としやテンプルの仕様は「Hawk Eye」と同じ。しかし、サブリメーションシリーズの象徴とも言える朱色のインクと、クリングス(鼻パッド構造)は、しっかりと継承された。細部まで神経の行き届いたデザインが、日常のスタイリングに溶け込みつつ、わずかな個性を光らせる。

 

見た目にはキャットアイのように吊り目がちだが、実際には両サイドのエンドが柔らかく垂れ下がっており、絶妙なバランスで独特のムードを生み出している。サイズもあえて小さめに設計されており、大人の余裕を感じさせる一本だ。

まどろみの先の、新しい時代の夜明け

Corner 25SS『GOLDEN SLUMBERS』コレクションの「Hawk Eye」と「Night Bird」。いずれも、1950年代後期——まだ“ロックンロール”という言葉すら曖昧だった時代の、揺れ動く空気を映し出したモデルだ。

 

紹介してきたように、ブロー(眉部分)の段差など、今作には“地味なこだわり”が隅々まで宿っている。前シーズンの「French Arnel」や「Godard」と比べると確かに控えめではあるが、だからこそ職人の魂が宿るのだと、代表の山本氏は話す。一見して目立つものではないが、優れた職人技によって、光の当たり方で生まれる陰影までもが、今作では意識的にデザインの一部として昇華されているのだ。

Cornerは、コストや効率を優先せず、良いものをつくるために手間を惜しまない。その真摯な姿勢は、当時の音楽家たちが“何が本当に新しい音楽なのか”を探り続けていたあの時代と、どこか重なって見える。

 

当時の業界人たちが本当にこのようなフレームをかけていたかどうか、それは重要ではない。大切なのは、彼らが夜な夜な交わした“新しい時代の予感”が、いま再びこの2つのデザインに宿っているということだ。

 

まばゆい装飾はない。けれど、静かに手応えのある一本。Cornerは夜のまどろみのなかに、ささやかで確かな物語を灯してみせた。

「Hawk Eye」と「Night Bird」を掛けて、淡い期待と自信を胸に抱く。しばしのまどろみの先、新しい時代の夜明けは、もうすぐそこだ。

山田ルーナ - 文

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