ジョイエブリタイム株式会社

未来を見据える眼差し。Mr. Gentleman EYEWEAR高根俊之が歩いた鯖江視察記

未来を見据える眼差し。Mr. Gentleman EYEWEAR高根俊之が歩いた鯖江視察記

2025/10/10

「メイド・イン・ジャパン」。その響きは、長らくメガネの品質を保証する魔法の言葉だった。だがいま、アイウェア業界の未来のために、あえてその神話を疑いたい。Mr. Gentleman EYEWEARのデザイナー・高根俊之氏は、鯖江に足を運び、時代の転換点を目の当たりにした。

鯖江に生まれた新しい中国資本の工場

今回、高根氏が訪れたのは、鯖江に新しく誕生したアセテート工場だった。

 

この工場、実は中国資本の工場。中国出身のオーナーは、日本に留学していた時期に眼鏡業界に携わり、その後本国で200人規模の従業員を抱える企業を率いるまでになった人物である。かつて取引のあった人材の独立を機に、鯖江での製造拠点を立ち上げたのだそうだ。

 

資本は中国にありながら、舞台は鯖江。伝統の産地と新しい外資の融合は、まさに現代を象徴する風景だった。

中国製は粗悪」は過去のもの。アセテート専用中国製機械の台頭

この工場を支えているのは、最先端の中国製機械である。

 

アセテート用の機械というのは、実は日本ではほとんど見られない。そのため多くの国内工場では、金属用の機械をプラスチック加工用にカスタマイズして使用している。

 

しかしその点、中国では、最初からアセテート専用の機械が開発されているのだ。この工場で稼働しているのもまさにアセテート専用機械。違いは決定的だと言えるだろう。

 

その仕様と特徴を比べてみよう。
たとえば日本で広く使われている金属用機械の加工機では、表面と裏面を別々に加工する必要があり、人の手で取り外すたびにわずかなズレが生じるというデメリットがある。
一方中国の機械は、一台で表裏を同時に仕上げることが可能。機械で完結するので、速さも正確さも段違いだ。製造速度が約2倍になっただけでなく、0.1mm単位の厚みの測定で、均一な品質が実現した。

クオリティの高さに感銘した高根氏は、Mr. Gentleman EYEWEARの7型の新作を、すでにこの工場に発注している。

 

「中国製は粗悪」というイメージは、すでに過去のものなのかもしれない。むしろ精度や効率において、中国製が優位に立つ局面が確実に増えていることを、私たちはMr. Gentleman EYEWEARの新作を通じて知ることになるだろう。

「手仕事神話」を問い直す

もちろん、日本にも変わらない強みはある。

 

表面処理やメッキ加工など、最終仕上げの分野においては依然として高い評価を得ているし、やはり職人の手仕事は美しい。

しかし「手作りの味」という名のもとに、誤差を許容する傾向も否めない。さらには職人の高齢化が進み、新しい技術の導入に二の足を踏むなかで、若手の育成が思うように進まないことも事実だ。

 

一方、この新しい工場では若い人材が積極的に採用され、最新設備が次々に導入されている。

アイウェア業界は、これまで伝統に固執し、そして守られすぎてきたのかもしれない。柔軟に変化を受け入れるその新しさは、革新の風となり、アイウェア業界を次のステップへと押し進めてくれるだろう。

 

鯖江でも外資の割合は確実に増えており、産地の姿は大きく変わろうとしている。「日本製にこだわることが最善だとは、もはや言い切れない」。高根氏の眼差しには、職人の技を敬愛するがゆえの切実さが滲んでいた。

品質と供給力の両立

アセテート専用機械を有するこの新しい工場が、精緻な機械と柔軟な経営で実現させるのは、品質の高さだけではない。Mr. Gentleman EYEWEAR高根氏はブランドの将来を見据え、その供給の安定性にも期待し、契約を決断した。

 

つまり高根氏が求めるのは、品質を守りつつも、世界の市場で競争力と供給力を維持すること。一見不可能に思われる品質と供給力の両立は、固定観念を越えた先にあったのだ。

 

世界的にファンが増えているMr. Gentleman EYEWEARは、今後もっと沢山のメガネを、もっと沢山の顧客に届けていかなくてはならない。このたびの選択は、ブランドと、そしてファンにとって、期待する効果をもたらしてくれるだろう。

メタルフレームの名匠「ハマモト」

次に視察に訪れた「ハマモト」は、Mr. Gentleman EYEWEARのプロダクトではお馴染みの、鯖江でも名門と呼ばれる金属工場。

 

ここは金属加工の技術においては群を抜く工場で、成長も止まるところを知らず、近年でも30人規模で人員を増やしている。

 

強固な技術基盤を持ちながらも積極的に人材確保を進める姿勢は、未来への安定を確かに予感させ、高根氏を安心させた。

 

フランスのラグジュアリーブランドにも採用されているというその素晴らしい技術力は、Mr. Gentleman EYEWEARにとっても心強いパートナーなのだ。

新しい時代の「メイド」観

二つの工場視察で感じたのは、「どこで作るか」ではなく「どう作るか」という新しい時代の「メイド」観。

 

アセテート工場を見てお分かりいただけるように、「中国製=低品質」という考え方はもはや古い。
一方で日本の職人技は、仕上げや表面処理の繊細さにおいて、いまだに優位性を持っている。

 

つまりこれからの時代に問われるのは「どこで作るか」ではなく「どう作るか」なのだ。

 

高根氏の視察は、その新しい地平を切り拓くための第一歩だった。日本と中国、伝統と革新。その両方を見極めながら、Mr. Gentleman EYEWEARは、次の時代のメガネづくりへと歩み出している。

揺らぎは、力へ。未来を見据える眼差し

産地の在り方が変わりゆく時代において「メイド・イン・ジャパン」の神話は揺らいでいる。だがその揺らぎは、決して衰退の兆しではない。むしろ、世界と渡り合うための新しい力へと変わる可能性なのだと、ポジティブに受け取ることができるだろう。

高根氏が鯖江で見たのは、危機ではなく未来だった。アイウェア業界は、そしてMr. Gentleman EYEWEARは、まだまだ成長していく。

山田ルーナ - 文

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