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《Jr.》《GREGORY 48》が描く新たな「線」。Mr.Gentleman EYEWEARが仕掛ける、太縁フレームの静かな革命

《Jr.》《GREGORY 48》が描く新たな「線」。Mr.Gentleman EYEWEARが仕掛ける、太縁フレームの静かな革命

2026/01/20

メガネを新調するという行為は、自分の顔に新しい「線」を引き直す作業に似ている。特にセルフレーム、それも厚みのある「太縁」を選ぶとき、私たちは無意識のうちに自らのアイデンティティをそこに投影する。力強さ、知性、あるいは揺るぎない個性。

 

しかし、これまでのアイウェア史において、太縁は常に「重さ」という物理的な制約と隣り合わせだった。その重厚な美しさに惹かれながらも、鼻筋に残る圧迫感や、夕暮れ時に感じる耳の後ろの重みに、私たちはどこかで妥協を強いられてきたのではないだろうか。

 

そんな愛好家たちが長年抱えてきた「諦め」に対する、技術と感性による最終回答が、Mr.Gentleman EYEWEARが提示する2つの新作《Jr.》と《GREGORY 48》である。

名作の解体と再構築。《Jr.》が切り拓く「新・普遍」

Mr.Gentleman EYEWEARの象徴的な傑作として愛される「JIMMY」。アメリカンボスリントンの王道を征くそのスタイルは、既に一つの完成形として語り継がれている。その「次」を創るという難題に対し、彼らが選んだ手法は「脱構築」だった。

新作《Jr.》は「JIMMY」のDNAを色濃く受け継ぎながらも、その骨格を大胆に、かつ繊細に組み替えている。最も特筆すべきは、レンズシェイプの縦横比の変更だ。

 

従来のクラシックなボスリントンは、やや縦に長い「逆三角形」に近いバランスが一般的だが、《Jr.》はあえてこの縦幅を詰め、横方向へのラインを強調した。この数ミリの調整が、驚くべき視覚効果をもたらす。

 

太縁特有のボリューム感は維持しつつも、顔に載せた瞬間に感じられるのは、驚くほど現代的でスポーティな「キレ」だ。頬にかかるラインがすっきりとしたことで、重厚なセルフレーム特有の「野暮ったさ」「古っぽさ」が消え、ビジネススーツにも、ミニマルなカジュアルウェアにも適応する「インテリジェンスな鋭さ」が宿った。

 

「JIMMY」という偉大な父を持ちながら、その伝統を軽やかに更新してみせた《Jr.》。これは、単なるサイズ違いのモデルではない。これからの10年を支える、新しい「スタンダード」の誕生を告げる一本である。

境界線なき調和。《GREGORY 48》にみる文化のクロスオーバー

一方で、緩やかな六角形モデル《GREGORY》が放つオーラは、より情緒的で、どこか詩的ですらある。このフレームの背後には、デザイナーが長年大切にしてきた音楽、映画、そしてヨーロッパとアメリカ、それぞれのアイウェア文化への深い敬意が透けて見える。

デザインの核となっているのは、アイウェアシーンで再評価が進む「フレンチヴィンテージ」の様式美だ。1940年代から50年代のフランスで見られた、ぽってりとした艶やかな肉厚感。しかし《GREGORY》は、その特徴だけに留まらず、そこに1960年代のアメリカンヴィンテージに見られるような、質実剛健で直線的なエッジを隠し味として加えている。

 

今回登場した「48サイズ」は、まさに市場の熱望が生んだ必然のプロダクトだ。元々評価の高かった「46サイズ」から、全体のバランスを崩すことなくスケールアップさせる作業は、熟練の職人であっても容易ではない。単に拡大するだけでは、レンズの重心がずれ、美しさが霧散してしまうからだ。

 

しかし《GREGORY 48》は、《GREGORY 46》において愛されてきたシャープなシルエットを保ちながら、より多様な顔型の人々に太縁フレームを掛ける喜びを解放した。その革新は、多様な価値観が混在するこの現代において、掛ける者の個性を最も雄弁に語ってくれるだろう。

「重厚」という名の軽やかな裏切り

そして、両作の最も優れた点は、その掛けやすさである。

 

太縁眼鏡には、長年付きまとってきた宿命がある。それが「重さ」と「疲労」だ。存在感と引き換えに、私たちは鼻筋の圧迫感や、耳の後ろの重みを代償として受け入れてきた。しかし、Mr.Gentleman EYEWEARの新作を体験した者は、その常識がもはや過去のものであることを知るだろう。

彼らが取り組んだのは、単なる軽量化ではない。それは「重心のコントロール」と「接地面積の最適化」という、物理学的なアプローチだ。

 

《Jr.》や《GREGORY 48》では、フレーム全体の重量バランスを緻密に設計することで、荷重が一点に集中するのを防ぎ、顔全体でメガネを「支える」のではなく「包み込む」ような感覚を実現している。特にテンプルの設計においては、素材の弾性を活かし、こめかみを優しく、かつ確実にホールドする構造が採用されている。

 

首を動かしても視界が揺るがない安定感。そして長時間の着用でも、眼鏡を掛けていることを忘れてしまうほどの解放感。この「心地よい裏切り」を支えているのは、日本の職人たちの手仕事だ。アセテートという無機質な素材を、体温を感じさせるほど滑らかに研磨し、角を落とす。表側に見えるデザインの美しさと、肌に触れる裏側の機能美、それらが完全に同期したとき、メガネは単なるアクセサリーを超え、顔の一部へと昇華するのだ。

太縁を新しい次元のスタンダードに

これほどまでに緻密な重心設計や、職人による徹底した研磨が必要だったのは、単に「楽なメガネ」を作るためではない。その真の目的は、掛ける者が「メガネを掛けている」という意識から解放され、そのフレームが持つ純粋な美しさ……すなわち、自分の顔に引かれた「意志ある線」だけを、曇りなく表現するためである。

 

太縁メガネを掛ける際、もしそこにわずかでも「重さ」や「ズレ」といったストレスがあれば、それは表情に微かな影を落としてしまうだろう。しかし、《Jr.》と《GREGORY 48》が提供する圧倒的なホールド感は、そのノイズを完全に消し去る。ストレスから解き放たれた表情には、自ずと余裕が宿る。そしてその余裕こそが、プロダクトの良さを超えた、掛ける人自身の「スタイル」を完成させる最後のピースとなるのだ。

《Jr.》が描く、現代的でスピード感のある横長ライン。そして《GREGORY 48》が放つ、多国籍な文化が混じり合う複雑な表情。これらは身体の一部として完全に馴染み、掛ける人の内面にある自信を、外側へと増幅させる。

 

「重厚」という鎧を纏いながら、心はどこまでも軽やか。この贅沢な矛盾を愉しむことこそ、大人のアイウェア選びの醍醐味だ。

 

Mr.Gentleman EYEWEARが切り拓くのは、新しい次元のスタンダードである。鏡の中の自分と向き合うとき、その鋭い輪郭に宿る美学を、あなた自身の肌で確かめてほしい。

山田ルーナ - 文

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