Mr.Gentleman EYEWEAR〈ツインブリッジ〉シリーズに新作が登場
2022/09/10
「昨秋発表され、瞬く間に『Mr.Gentleman EYEWEAR(ミスタージェントルマンアイウェア)』のアイコンとなったデザイン〈ツインブリッジ〉。このシリーズから、このたび新たに3型が発表された。「DEMI」「PATRICK」そして「LEONARDO 2」。繊細な2本の曲線は、今回どのような表現を繋ぐのだろう。〈ツインブリッジ〉の魅力とそれぞれのモデルの特徴をご紹介したい。
|(左)PATRICK、(右)DEMI
Mr.Gentleman EYEWEARの名品。人の交わりを表現したデザイン
〈ツインブリッジ〉は2021年秋、ブランドの集大成的モデルとして発表された。最初のラインナップは「JOHNNY」と「LEONARDO」、そして「JULIETTE」。映画『ギルバート・グレイプ』で主要人物を演じた3名の俳優にインスピレーションを得たモデルだ。
〈ツインブリッジ〉のデビューに合わせて『Mr.Gentleman EYEWEAR(ミスタージェントルマンアイウェア)』のデザイナー高根俊之氏に取材させていただいたが、その時に高根氏が話していたことが今でも印象に残っている。
「以前から、人と人との関係・繋がりみたいなものをデザインとして落とし込めないかを考えていました。つまり〈ツインブリッジ〉は、人と人をテーマにしたデザインなのです」
人と人をテーマにしたデザイン。
これを聞いてから〈ツインブリッジ〉の仕様を見ると、なるほどと納得できる。
細さや色の異なる2つの曲線が、別の方向を向きつつ、同じレンズを繋げている。それはまさに、私たち人間が時に手を取りあい時に反発しあいながら生きていく……そんなかけがえのない繋がりを表現しているようだ。
デザインの仕様について、高根氏はこう説明する。
「〈ツインブリッジ〉と名づけた3型共通のブリッジ構造は、二つの異なるパーツを組合せ、一つのデザインを完成させています。一見交わっている様で交わっていない、個々の独立したパーツが織りなす造形美は、私が思う、人と人との関係性そのものです」
この〈ツインブリッジ〉のようにブリッジを前後に組み合わせているデザインは、実のところ他ブランドにもある。「4点留め」と呼ばれるブリッジの留め方はアメリカで昔からある技術だからだ。しかし、これだけ繊細で美しく仕上げられているものはまずないだろう。
繊細な2本の線で表現される人の交わりは、多くの人の経験や思い出を想起させる。
アイウェアデザインという枠を超えて人の心に何かを訴えかける、ある種の芸術的な魅力が、このメガネにはある気がした。
新型「DEMI」「PATRICK」 - ジェンダーレスに想像を膨らませて
そんな〈ツインブリッジ〉シリーズの待望の新作。
まずは「DEMI」と「PATRICK」についてご紹介したい。
前回の3型もそうだったが、今回のモデルもまた、その名前を聞いてピンとくる映画好きの方がいるかもしれない。
デミ・ムーアと、パトリック・スウェイジ。『ゴースト ニューヨークの幻』で主演を務めた二人だ。
まず「DEMI」は、フォックス型シェイプのモデル。
デザイナーの高根氏曰く、『ゴースト ニューヨークの幻』のショートカットなデミ・ムーアがかけたら似合うんじゃないか…というイメージで生まれたデザインだそうだ。
このフォックス型は、高根氏お気に入りのシェイプでもある。
やや存在感のあるファッショナブルな雰囲気。日本ではややマイナーなデザインだったが、昨今ファッションとしてアイウェアを楽しむ方が増え、その需要が増してきた。
そして、この印象的なかたちにさらに魅力をプラスするのがジェントル流。
「Red Pink - Gold」のカラーを見ていただきたい。
|DEMI:Red Pink - Gold
これは高根氏がエルメスのリップにインスピレーションを得て生み出した色で、アイウェアにしてはとても珍しいカラーである。(実際工場がかなり努力して再現したと聞いた。)
ルージュを引くあの瞬間のように、鮮やかな発色が気持ちを高揚させてくれる。
「DEMI」なら多少のパンチも、エレガントに楽しめそうだ。
もう一型の「PATRICK」は、スクエア型シェイプのモデル。
真面目でカッチリとした紳士らしいイメージにまとめられているが、〈ツインブリッジ〉ならではの線の細さで近寄り難い印象は受けない。
程よい緊張感で、装いを柔らかく引き締めてくれそうだ。
「DEMI」と「PATRICK」。女性と男性それぞれからインスピレーションを受けたモデルだが、デザインを選ぶ上で性別は関係なさそう。
よりジェンダーレスに、「見せたい自分」を自由に想像してみたい。
「LEONARDO 2」は、ブランドらしいサイズアップモデル
次に前回のサイズアップモデル「LEONARDO 2」をご紹介したい。
このモデルは名前のとおり、クラウンパントゥ型シェイプ「LEONARDO」の派生モデルだ。
以前は「JOHNNY」と同じサイズだったが、レンズ幅をやや大きく設計。このくらいの大きさは、近年アジア各国で人気のサイズ感でもある。
今回のサイズアップ展開について、高根氏が面白いことを話していた。
「本当は各モデル4、5サイズずつ展開するのが理想なんですが、そうもいかないので…今回考えに考えて、『LEONARDO』のサイズを決めました」
数ミリ単位の絶妙なサイズ展開をする『Mr.Gentleman EYEWEAR(ミスタージェントルマンアイウェア)』らしいこだわり。
妥協のないサイズ選択からは、かけ手への愛情と、眼鏡店もやっている高根氏ならではのプロとしての矜持が感じられる。
実際かけてみると、ものを見比べた時よりも印象が大きく変わるのが印象的だ。
クラウンパントゥ型という定番のデザインだからこそ、自分が一番しっくりくるサイズ感のものを手に取りたい……。通常のアイウェアブランドではなかなか難しいそんな願いを、『Mr.Gentleman EYEWEAR』なら叶えてくれるだろう。
あなたと何かを繋いでいく〈ツインブリッジ〉
昨秋の発表からすでにブランドの代名詞にもなっている〈ツインブリッジ〉の新作3型をご紹介した。
人の交わりを描いたこのデザインは、あなたと、あなた以外の何かを繋いでくれるだろう。
かけた時に何が見えるか、どこへ連れて行ってくれるか。このメガネが繋ぐその先を、楽しみに思っていたい。
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山田ルーナ - 文