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あなただけのためのアート作品を。それを持っている自分が好きになるクリーニングクロス【Metropolitan Crossbottle×佐々木香菜子】

あなただけのためのアート作品を。それを持っている自分が好きになるクリーニングクロス【Metropolitan Crossbottle×佐々木香菜子】

2023/08/30

クリーニングクロス専門ブランド「Metropolitan Crossbottle(メトロポリタンクロスボトル)」の新作をご紹介する。デザイナーであるGUSSY自身とても楽しみにしていたという今作のコラボ相手は、注目の現代美術家、佐々木香菜子。今回のコラボ作品には、今作のために描き下ろされたアート6作品が贅沢にプリントされている。両者のファンにとってはたまらない今作の魅力を、GUSSYと佐々木香菜子両名へのインタビューを通じて深掘りした。

佐々木香菜子というアーティスト

「Metropolitan Crossbottle」が新作のコラボ相手に選んだのは、GUSSY曰く“念願の”相手である佐々木香菜子。この生命力あふれる鮮やかな抽象画を見たことがある方も多いだろう。今注目されている現代美術家である。

 

彼女の来歴を簡単にご紹介したい。 佐々木香菜子は、1983年、宮城県仙台市生まれ。東北工業大学工業意匠学科卒業後、22歳からイラストレーターとしてキャリアをスタートし、ファッションを主軸に広告ビジュアルや商品パッケージ、企業とのコラボレーションなどを数多く手がけてきた。さらに近年では、アーティストとして国内での個展を多数開催、また海外のアートフェアにも精力的に参加するなど、国内外のアートコレクターから注目を集めている。

|佐々木香菜子(KANAKO SASAKI)

GUSSYとの出会いは数年前で、共通の知人を介して知り合ったのだそうだ。その時はお酒の席なこともあり(また互いにお酒好きということもあり)自己紹介をする程度。それからも楽しい飲み仲間ではありつつ仕事については「いつか一緒にやりたいね」止まりで、具体的なプロジェクトが決まることはなかった。

 

状況が動いたきっかけは、昨年六本木ヒルズで行われた佐々木香菜子の個展。GUSSYは彼女のファンということもあり展示会場を訪れ、この作品でクリーニングクロスを作りたいと改めて強く思ったのだそうだ。

 

そうして実現した今回のコラボレーション。「Metropolitan Crossbottle」のコラボレーションクロスは、GUSSYセレクトで既存のアート作品を用いることも多いが、今回のコラボレーション3モデルにプリントされた6作品は、すべて佐々木香菜子描き下ろしのアート作品が用いられている。

頭の中で完成しているものを、デジタルで組み上げる

佐々木香菜子のアート作品は通常キャンバスにアクリル絵の具で描かれるが、最初からプリントを想定したものなどはデジタルで仕上げられる。だから今作もデジタルで描かれたわけだが、この手法がとても興味深い。まず、通常の現物作品を描くように筆の流れなどの“要素”を作り、それを一つずつスキャンする。そしてパソコンに取り込み、それらの“要素”を繊細に重ね合わせていくのだ。ここで面白いのは、完成された作品が決してデジタル作品に見えないこと。佐々木香菜子本人も意識していると話していたことだが、このグラフィックアート作品は、佐々木香菜子の現物作品とほとんど変わらないように見える。

 

それはおそらく、描く時の思考が筆でもデジタルでも変わらないからで、佐々木香菜子は頭の中に完成しているものを画面に構成していくだけなのだそうだ。色も、筆の力も速さも、流れも、レイヤーも、すべて決められている。一見単純そうで実は複雑なこのようなグラフィックアート作品が、ここまで美しく実現するのは、そんな彼女のスタイルがあってこそかもしれない。

そしてもう一つ。佐々木香菜子の作品は頭の中にあるからこそ、仕上がりまでが非常に早い。それはクライアントワークをこなしてきたイラストレーターとしての経験も大きいのかもしれないが、作家としては稀有な存在とも言えるだろう。

 

そのような背景もあり、今回のコラボレーションは佐々木香菜子のもつ強いエネルギーによって、勢いをもって進められた。

 

先先ほど6作品の描き下ろしと言ったが、佐々木香菜子がこのために描いたのは実際には10作品だ。そこからGUSSYが6枚をセレクトし、さらに佐々木香菜子が両面プリントの「Metropolitan Crossbottle」のアイテムに合わせて2作品ずつのセットを決定。この3型それぞれに佐々木香菜子みずから名前をつけ、新作発表に至った。

それぞれの名前に落とし込んだ想い

「名前をつけるまでが作品制作だった」と佐々木香菜子は話す。

 

「Metropolitan Crossbottleのクリーニングクロスは両面プリントなので、1枚2作品ずつのセットになります。この組み合わせを意味のあるものにするために、タイトルをつけるのは必須でした。名前がついて、それぞれより意味のある作品になったと思います」

 

例えば、30cm角の1枚は「Ringing」。深い森の中の草花か、あるいはオーロラか、いずれにせよ遠くに美しいものが見えるようなこの2作品の組み合わせには、「鳴り響く」を意味する言葉がつけられている。佐々木香菜子の中には幸せな音という概念があるそうで、この1枚にはそのような音が聴こえてくるようにという願いも込められているのかもしれない。もしくは遠くで鳴っている音に耳をすませられるだけの心の落ち着きや静寂を、このクリーニングクロスを持っていれば得ることができそうだ。

|30cm角:MCB323 / KANAKO SASAKI 佐々木香菜子 / Ringing

次に55cm角の鮮やかな1枚は「Hug」。これはその名のとおり「包み込む」を意味する。恋人だったり家族だったり、そういう大切な人を守る温かさや優しさ。佐々木香菜子らしい青にイエローとレッドが重なっている様子は、夕焼けを映す海や、もっと言えば地球そのものなど、大きな存在を想起させる。55cm角ならファッションアレンジも楽しいので、実際に自分が包み込まれるのもアリかもしれない。

|55cm角:MCB552111 / KANAKO SASAKI 佐々木香菜子 / Hug

シリーズの中でもっともシックな55cm角の「Knowledges」は「知識」だ。一見モノクロ作品だが、そのレイヤーの奥に微かに煌めく爽やかな色は、知識への探究心や好奇心そのものだろうか。自分の中に確かにある輝く感性をクリーニングクロスに重ねて、自分自身のそういった部分を愛してあげるような時間を過ごしたい。

|55cm角:MCB552110 / KANAKO SASAKI 佐々木香菜子 / Knowledge

あなただけのためのアート作品を

それぞれの名前や、想いを聞いていて、まるで香水の話のようだなと思う。香水にはそれぞれコンセプトがあり、調香師の思い出などのエピソードや、視覚的イメージが重ねられて調合されていることも多い。その場合、香りの成分のみならずそのコンセプトにも大きな価値が生まれ、私たちは香りと同じくらいそこに書かれた言葉に感動し、共感し、自分の香りに選ぶのである。

 

今回の「Metropolitan Crossbottle」の佐々木香菜子コラボも、まさにそんな香水のようなアイテムではないだろうか。

 

「Ringing」「Hug」「Knowledges」それぞれのコンセプトを自分自身に重ね、こうありたいという姿を想像するきっかけにする。それは時に私らしさの延長にあってもいいし、全くかけ離れたものであってもいいかもしれない。ただ、それを持っていることによって確実に、自分自身はそのコンセプトに引き寄せられるのだ。

 

「Metropolitan Crossbottle」のクリーニングクロスという形だからこそ、これらのグラフィックアート作品は立体的な動きを孕んで、その魅力を倍増させているように思う。絵の力だけでなく、そこに込められたコンセプトも合わせて選び、楽しむのもおすすめだ。あなたの生活にこのクリーニングクロスがやってきた時、それはもう、あなただけのためのアート作品だと言えるだろう。

いまだかつて、ここまで詩的なクリーニングクロスがあったろうか?その想像の余白は、常により良い未来をイメージさせてくれる。

 

〈あなたの生活にアートを、ファッションを、そしてクリーニングクロスを。「磨く」「着る」「飾る」を掲げる「Metropolitan Crossbottle」に、佐々木香菜子作品はぴったりハマっていると言えそうだ。

山田ルーナ - 文

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