使い方はあなた次第。DIFFUSER「MILLICROSS 3 TYPE CASE WITH NYLON CORD 2」
2024/06/20
2022年に発表されてからグローバルな人気を博している「MILLICROSS 3 TYPE CASE WITH NYLON CORD」の第二弾が発表された。金具やサイズがマイナーチェンジされ、新色ネイビーを迎えて新登場。機能性とファッション性、そのどちらも損なうことなく見事に融合させた3連ケースの魅力について、改めて考えてみたい。
アイウェアケースとして完璧だからこそ応用できるマルチバッグ
「MILLICROSS 3 TYPE CASE WITH NYLON CORD」が最初に発表されたのは2022年。当時はファッションアイテムとしてマルチリングバッグが流行に乗り始めた時期でもあり、アイウェアケースをマルチバッグにするという斬新なアイデアは多くのファッション好きな人々の注目を集めた。特に、キャッシュレスが日本よりも進んでいる海外での人気が高く、DIFFUSERの海外取り扱い店舗での反応が良かったと聞いている。
▶︎DIFFUSERが作ったマルチバッグ。これでもやっぱり、アイウェアアクセサリーなんです(FEATURE記事 2022/11/20)
「MILLICROSS 3 TYPE CASE WITH NYLON CORD」は大きく4つのパーツに分けられるマルチバッグだ。ナイロンのクロス生地、ミリクロスを用いた大小様々な3つのポーチと、オリジナルの柄によるナイロンコード。必要なだけのポーチをナイロンコードに通し、好きな長さにギュッと結んで提げることができる。
3つのポーチとは、9.5cm×18cmのファスナータイプのポーチと、8cm×17cmの巾着タイプのポーチ、そして8cm×6cmのスナップボタンが付いた小さなポーチだ。第二弾である今作は、マイナーチェンジは行われつつも、この全体のバランスは変えられていない。というのも、これらが変更しようのない完璧なバランスだからである。
DIFFUSERのデザイナー広瀬氏は、それぞれのポーチの役割をある程度想定して「MILLICROSS 3 TYPE CASE WITH NYLON CORD」を作っている。例えば、ファスナーポーチにはアイウェアを、巾着ポーチにはクリーナーボトルを、そしてスナップポーチにはAirPodsケースを、といった具合に。DIFFUSERがデザインする以上「MILLICROSS 3 TYPE CASE WITH NYLON CORD」はマルチバッグである以前にアイウェアアクセサリーなので、アイウェアをはじめ、メガネユーザーには必須のクリーナーボトル、そして同じくメガネユーザーには必須の無線イヤホン(有線イヤホンは時にアイウェアの魅力を半減してしまう)が入れられるように設計したのだ。
ただポーチを作るのではなく内容物を想定して作ったからこそ「MILLICROSS 3 TYPE CASE WITH NYLON CORD」の機能性は抜群に高い。ファスナーポーチはアイウェアを傷つけないような滑らかな裏地が施されており、またL字ファスナーで中身を取り出しやすいようになっているし、巾着ポーチは十分に用意された高さと安定感のある巾着紐が魅力。スナップポーチも、たっぷりのマチと開閉しやすい大きな蓋がついていて、簡単に外れてしまわないしっかりとしたスナップボタンが嬉しい。
私は思うのだが、ある機能に特化して完璧に作ると、逆に他の可能性が無限に開けてくるのではないだろうか。その役割のために真摯に作られているからこそ、応用することのできる余白が生まれる。
「MILLICROSS 3 TYPE CASE WITH NYLON CORD」はまさに、アイウェアに特化して作られたからこそ、使い手に余白を残すようなアイテムに仕上がっていると感じるのだ。
第二弾はパーツやサイズをアップデート
今作「MILLICROSS 3 TYPE CASE WITH NYLON CORD 2」では、全体のデザインはそのままに、ロゴの仕様や金具パーツ類がマイナーチェンジされ、さらにポーチのサイズが若干見直されている。サイズの変更については今回のアップデートにより、一般的なサイズのスマートフォンがケース付きで収納できるようになった。これはアイウェアケース以外の用途を想定する人々にとって待ち望んでいたアップデートと言えるだろう。
先に述べたとおり「MILLICROSS 3 TYPE CASE WITH NYLON CORD」はサイズも開閉方法もバラエティに富んでおり、そのそれぞれが丁寧に作られているからこそ、私たち自分にとっての最適な中身を自由に見出すことができる。そして、その作業が楽しい。
懐に飛び込むようなつもりで、試しになんでも入れてみるのがおすすめだ。スマホをはじめ、リップやガムなんかの細々したもの。小銭入れ。もっとも小銭はスナップポーチに直接入れて、それ自体を小銭入れのように使うのもアリかもしれない。そういう視点で言えば、お札はファスナーポーチに入れてもいいかも。ここにこうして書き出していくだけでも、次から次へとアイデアが出てくる。
これを読んでいるあなたも、きっと独自のアイデアが浮かんでくるはずだ。自分だったら何を入れよう?そんなささやかな楽しみを味わうこともまた、DIFFUSERが願っている使い道かもしれないと思う。
アイウェアを持たない日も、アイウェアはもっと自由に
先ほどロゴの仕様がマイナーチェンジされたと述べたが、これは具体的には、生地に刻印されていたものがレザーパーツへの刻印にアップデートされたというものだ。個人的にはDIFFUSERといえばレザーと考えているので、その要素がこうして取り入れられたのは嬉しい。このレザーパーツはファスナーポーチにのみ付けられているのだが、素押しのため華美な印象は受けず、大人の男性に似合いそうな落ち着いた雰囲気である。ミリクロスがやや起毛感のある独特の表情なので、その素材のコントラストも魅力的。ちなみにこの生地は、マッキントッシュのトレンチコートのような質感と表現すれば想像しやすいかもしれない。リラックスした品のある生地だ。
こういったほんの少しの変化により「MILLICROSS 3 TYPE CASE WITH NYLON CORD 2」は前作よりもさらに、ファッションアイテムとしての奥行きの深さを持っているように思える。
アイウェアを持たない日というのもまたアイウェアにまつわる楽しみの一つなのではないだろうかと、私は考える。つまり、アイウェアを持つ毎日の中に、持たない日というのがあるからこそ、互いを一層楽しむことができると思うのだ。
「MILLICROSS 3 TYPE CASE WITH NYLON CORD 2」はそんなアイウェアの多角的な楽しみ方を、より盛り上げてくれるようなアイテムだ。
アイウェアはもっと自由でいいと、この3連コードを前に私は思う。ある時はアイウェアを入れ、ある時はスマホを入れ、またある時は……何を入れようか。あるいはジーンズのポケットに何も入れないように、何も入れずにアクセサリー感覚で持ち歩いてもいいのかも。それほどまでに自由に楽しませてくれるアイウェアアクセサリー「MILLICROSS 3 TYPE CASE WITH NYLON CORD 2」で、夏のご機嫌な予定を立ててみたい。
山田ルーナ - 文