ジョイエブリタイム株式会社

AKONIグループCEOロザリオ・トスカーノ氏に聞く、ブランドの成長と未来

AKONIグループCEOロザリオ・トスカーノ氏に聞く、ブランドの成長と未来

2024/12/30

スイス発のラグジュアリーアイウェアブランド、AKONI。

 

日本の福井県鯖江市に根ざした職人技術と、スイスの精密なデザイン哲学が融合した世界観は、唯一無二。2020年の設立以降、世界中のファッショニスタから熱い支持を得ているブランドだ。

 

その独自の魅力は、創業当初から掲げる「伝統と革新の調和」というフィロソフィーにある。

 

今回は、AKONIグループCEOであるロザリオ・トスカーノ氏に話を伺い、そのブランド哲学に迫った。ブランド理念、成長、そして未来へのビジョンとは。

|AKONIグループCEOロザリオ・トスカーノ氏

ブランド成長の背景にあるもの

2020年にスタートしたAKONI。設立当初の理念やビジョンと比較し、現在ブランドはどのような状態にあるのだろう。またトスカーノ氏は、その成長をどのように捉えているのだろうか。

 

この問いに対してトスカーノ氏は、肯定的な見解を示した。

 

「私たちはクリエイティブな活動を多面的で有機的なプロセスとして捉えています」と、トスカーノ氏は語る。

 

「製品づくりでは、伝統的なものとモダンさの調和を重要視しています。伝統的な手法がベストな場合もあれば、現代技術を取り入れることでより良い製品が生まれることもある。しかし多くの場合、最も美しく、目的に沿った、魂を宿した完成品は、これらを調和させたときに生まれるのです」

 

伝統的な日本の美的原則に根ざし、シンプルさ、調和、スケール感を強調するAKONIのデザイン。それは設立当時から今に至るまで変わらず、伝統的な手法と現代技術の融合で守られている。

AKONIグループはスイスの会社だが、実は日本とのつながりが深く、福井県の工場との協力関係は数十年に及ぶ。トスカーノ氏は、自分たちの厳格な基準を満たす技術を持つ国は世界でも日本だけ、と語り、深い信頼を示した。先に述べた「伝統的な手法」は、絶対的な信頼のもと、メイドインジャパンの職人技術に委ねられているようだ。

 

生産プロセスにおけるこれらの理念は、設立当初から揺るぐことなくブランドのクオリティを支えてきた。そのような背景もあり、AKONIは現在グローバル市場で大きな支持を集めるブランドに成長したと言っていいだろう。

 

そしてトスカーノ氏はその成長を、丁寧かつ慎重に守っていく姿勢を貫くつもりでいるようだ。

 

「私たちは、グローバル市場がこれほどまでに私たちを受け入れてくれたことに感謝しています。丁寧にデザインを進化させ、慎重に選定された流通経路を通じた成長によって、今後もブランドの品質と品位を維持してまいります」

「形態は機能に従う」

AKONIの魅力はクオリティの高さにとどまらず、そのクオリティと芸術性が見事なまでに融合した工芸的な美しさにあると思う。アイウェアにおける芸術性と実用性の両立について、AKONIはどのように考えているのだろうか。

 

トスカーノ氏はアイウェアを「2つの目的を果たすという点でユニークなファッション・アクセサリー」であると語る。

 

「一方では、視力を矯正し、有害な紫外線から目を保護する医療機器であり、他方では、おそらく他のどのアクセサリーよりも、その人独自のスタイル感覚を反映するファッション・アイテムです」

 

この2つの目的を果たすというアイウェアにおける古くからの課題において、トスカーノ氏は、建築家ルイス・サリヴァンのモットーを大切にしているようだ。

 

「私たちは建築家ルイス・サリヴァンのモットー『形態は機能に従う(Form follows function)』を忠実に守りながら、これを実現しています。デザインは、工学的な側面ではなく、スタイルという意味でも重要であり、製品のブランド・アイデンティティや人気度にも大切な役割を果たしますが、形態は常に機能と調和している必要があり、決して機能を犠牲にしてはならないのです」

 

AKONIのコレクションは、品質と快適性を最重要視しており、これが他ブランドとの差別化要因だという。芸術性と機能性の融合を追求する中で、AKONIは常に「形態と機能の調和」を目指しているのだ。

友情と信頼から生まれる創造力

デザインパートナーであるジェフ・ソロリオ氏とジョン・ジュニパー氏との関係性についても気になるところである。トスカーノ氏は、デザインパートナーである彼らを「業界屈指のアイウェアデザイナー」と称賛した。

 

「私たちは10年以上の友人であり同僚で、私は彼らのアイウェアデザイナーとしての実力をよく知っています。ですからAKONIが立ち上げられた頃にはすでに、彼らのセンスと能力を完全に信頼していたのです。ジェフは物静かで思慮深く、建築に対する純粋な情熱を持った人です。一方ジョンはそれほど静かではないですが(笑)写真家としての鋭い視点も持ち合わせています」

 

住む場所が異なるため、3人が直接会う機会は少ないものの、定期的なビデオ会議を通じて意見交換をしているという。トスカーノ氏は笑顔で次のように語った。

 

「私はスイス、ジェフは日本、ジョンはロサンゼルスに住んでいるので、時差が非常に大きく、グループでビデオ会議のスケジュールを組むのはとても大変ですが、人生にもたらされる良いことは簡単には手に入りません。私は彼らと一緒に仕事をすることが本当に好きです」

 

長年にわたる良いチームワークのもと、文字通りグローバルな視点でAKONIのプロダクトは作られていく

ラグジュアリーアイウェアブランドの未来

AKONIは業界屈指のラグジュアリーブランドだが、ラグジュアリーブランドとしての未来についてどう考えているのかをトスカーノ氏に尋ねてみた。

 

「ラグジュアリー分野は小売業の中でも最も難しい領域です」と、トスカーノ氏は話す。製品開発や広告などにかかるコストは高く、消費者の期待に応えることが非常に重要であるためだ。高級品を求める消費者の期待は高く、簡単に失望されやすい。

 

しかし、ビジョンと努力、そして真剣に取り組む姿勢は、いくつかの伝統的なヘリテージ・ブランドが証明しているように、大きな成功へつながる可能性がある。トスカーノ氏は、エルメスをその成功例として挙げた。

 

「私はエルメスを大いに尊敬しています。エルメスは、1800年代初頭に高品質の乗馬関連商品から始まり、事実上、ほぼすべての製品カテゴリーで世界的な高級ブランドへと発展しました。これは、ブランドが伝統を維持しながら、技術面でも顧客基盤の面でも進化を遂げている好例です。世界経済の浮き沈みにもかかわらず、最高級品を高く評価し、それを購入できる人々は常に存在します」

トスカーノ氏は「私はラグジュアリーブランド全体の強さを信じ続けています」と力強く続けた。

 

「AKONIグループと私たちのコレクションは、時代を超越したデザイン、比類なき職人技、そして永続的な品質という、私たちのコアバリューに忠実であり続けることで、存在感のあるかたちで進化し続けるでしょう」

 

アイウェアラグジュアリーブランドの未来は、きっと明るい。

日本市場におけるビジョン

最後に、トスカーノ氏自身大好きだと語る日本について、話を伺った。日本市場におけるAKONIのビジョンはどのようなものなのだろう。

 

「最高品質の日本製品が市場で強い存在感を示していることから、日本は最も挑戦しがいのある市場の一つであると思います。しかし、日本チームが積み上げてくれた素晴らしい成果のおかげで、顧客中心のサービスを提供するという目標を実現できています」

 

顧客中心のマインドに重きを置き、日々ベストなサービスを提供するAKONI。トスカーノ氏は「近い将来、AKONIが日本市場で市場最高のブランドになると確信しています」と言葉を添え、自信をのぞかせた。

AKONIが描く未来

AKONIが追求するのは、伝統と革新、そして芸術性と機能性の融合である。その背景には、トスカーノ氏の揺るぎない信念と、日本をはじめとするグローバルな協力関係があった。AKONIが描く未来は、ラグジュアリーアイウェア業界の可能性をさらに広げるものであると言えるだろう。

 

トスカーノ氏とAKONIの挑戦は、アイウェアを超えた新しい価値観の創造へと、まだまだ続いていく。

 

 

【関連記事】
AKONIという逸品 - 全てを超えて受け継がれていくもの
ため息が出るほど美しい至高のアイウェア、AKONI 2024SS

山田ルーナ - 文

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。

IMPORTANT INFORMATION

You can select multiple languages by clicking
G button in the upper right corner
右上のGのボタンをクリックすると
多言語の選択が可能です