ジョイエブリタイム株式会社

DIFFUSER新作、伝統技法「かすり染め」によるグラデーションのグラスコード

DIFFUSER新作、伝統技法「かすり染め」によるグラデーションのグラスコード

2021/11/15

私たちは日々の中でさまざまなグラデーションに出会う。陽が落ちる直前の空の赤。届かないほど深くなっていく海の青。車窓の山の木々の緑。…色が混ざり合い溶けていくような 美しい移ろいは、心を落ち着かせ、時に高揚させ、私たちの生活を彩ってくれる。

そんなグラデーションをデザインの中心としたグラスコードが、このたび〈DIFFUSER(ディフューザー)〉から発表された。
その名も『GRADATION DYEING GLASS CODE』。伝統的な染色技法「かすり染め」を用いた、雰囲気あるアイウェアアクセサリーをご紹介する。

「かすり」という伝統的な染色技法

「かすり」という言葉を聞いたことがないという方は少ないのではないだろうか。

 

「絣」や「飛白」という漢字があてられる「かすり」は、日本の伝統的な文様織の一種。通常「絣糸」を使用した織物や、着物の柄そのものをあらわすことが多い。

「かすり」というその名のとおり、その織物は文様がかすれて見えることが特徴的だ。糸をずらして織っていくことで、波を打つように、柄をつくっていく。西陣絣や広瀬絣などが有名だろうか。矢絣という矢羽根を図案化したポピュラーな模様もまた、「かすり」の一種である。

 

今回アイウェアアクセサリーブランド〈DIFFUSER(ディフューザー)〉の新作としてご紹介するグラスコードは、この「かすり」と呼ばれる織物のための「絣糸」をつくるのと同じ、「かすり染め」を用いたアイテムだ。

「かすり染め」とは、一本の糸に多くの色を入れる染色技法のこと。
この染色技法にはいくつかの方法があるが、今回の〈DIFFUSER〉のグラスコード『GRADATION DYEING GLASS CODE』では、「漬け絣」という技法が用いられている。

「漬け絣」では、まず数色の配色を決めたあと、そのそれぞれの色にあった染料をつくるところから始まる。そして、長い長い糸のうち色を出すと決めた場所を、染料に漬け、乾かし、漬け、乾かしながら、順番に染めていく。

 

この技法により、隣り合った色が微妙に重なり滲むことで、柔らかく移ろうようなグラデーションが生まれるのだ。

写真をご参考いただきたい。この写真の糸は〈DIFFUSER〉のためのものではないが、複数の色を入れていく過程をお分かりいただけるだろう。

嬉しい誤算で出会った色

上述の「かすり染め」によるアイウェアアクセサリーをつくりたいと、〈DIFFUSER(ディフューザー)〉デザイナーの広瀬雅規氏はずっと考えていたそうだ。

 

一つの紐の中に複数の色を表現するからこその、面白さ。色が移ろうという純粋な美しさ。そんなものを広瀬氏は求め、一緒につくってくれる人をしばらく探した。
そこで出会ったのが、京都のとある工場。現代の名工と呼ばれる職人が関わる工場で、一流の技術のもと製作を進めることができたという。
「漬け絣」では、長い長い糸を八の字に縛り、端同士を沈めて色をつけていく。手作業で染料の中に沈めていくので、染み込む度合いもまた職人の加減だ。

 

色の大まかな指定は、広瀬氏がおこなった。色チャートの中から、こういった色をという指示を職人に出す。

 

しかしここで、誤算が生じた。
このグラスコードのための「漬け絣」ではカチオン染料というものを用いているのだが、染料の化学的な要素による問題なのか、思っていた色がそのまま出てこない。

 

そのため何度かのつくり直しを経て、『GRADATION DYEING GLASS CODE』の6色は誕生した。

特にブラックは苦労したそうだ。黒にしようと試みても、ネイビーのような色味になる。試行錯誤の末のこのブラックだった。

予想外の色で完成としたものもある。レッドやブルーは広瀬氏いわく、思っていたよりちょっと明るい。

 

しかし、それもまた面白さであった。

 

嬉しい誤算で、出会った色。一期一会というか、そこにしかない発見を良しとするところもまた、〈DIFFUSER〉の優れた点だと筆者は思う。

 

日本の伝統技法「かすり染め」。もしかすると昔の人も、こんな意外性を楽しみに ものをつくり、そして身につけていたのではないだろうか。『GRADATION DYEING GLASS CODE』の美しい紐を手にして、ふとそんな考えが頭をよぎった。

グラデーションの美しさ、感情の移ろい

この「かすり」の紐は、どんなに鮮やかな色でも、手作業による あたたかさのためか、不思議と合わせやすい印象に仕上がっている。

グラデーションが、ほんとうに柔らかくて、優しい。

それはあるいは、陽が落ちる直前の空の赤、届かないほど深くなっていく海の青、車窓の山の木々の緑・・・

そして筆者が感じたのは、そんな自然物だけでなく、感情の移ろいとしてのグラデーションである。

何か美しいものに触れたときの、心の動きのように。どこまでも浅く、そしてどこまでも深く、自然と色が移ろう様子に、なぜだかとても共感できるのだ。

『GRADATION DYEING GLASS CODE』は、その混ざり合う色のように、アイウェアアクセサリーという枠を超えて、使い手の人間性に より溶け込むアイテムになるかもしれない。

実際着用してみると、耳元に薄い色が設定されているため、とても合わせやすい。首の後ろにかけて、次第にそれぞれの色味を深めていく。

シックなブラック。ビンテージのようなカーキ。トレンドがつづくテラコッタ。夜空のような澄んだネイビーに、カラーチャートには載っていなさそうな絶妙なブルーとレッド。

 

どの色を選んでも、さりげなく、コーディネートの差し色になってくれるだろう。

 

ため息が出るほど繊細な編み方にも注目したい。カジュアルなシーンだけでなく、その品の良さはフォーマルなシーンにも活躍するはずだ。

そして面白いのは、「かすり染め」という伝統技法を用いていながら、ちっとも古くさくなく、そして日本的でもないところ。

それはやはり、〈DIFFUSER(ディフューザー)〉のデザインによるところが大きいだろう。
ブランドネームが刻印されたプレートが、静かに光る。
「かすり染め」をアイウェアアクセサリーにするだなんて、そしてそれを世界に発信するだなんて、他で聞いたことがない。残念ながら職人が年々減りつつある、この「かすり」という産業。〈DIFFUSER〉ならではの視点で、東京から世界へ、今後も日本が誇る技術を発信していってほしいと願う。

『GRADATION DYEING GLASS CODE』のグラデーションは、工業製品にはない趣深さがある。是非お手に触れて、その移ろいを味わっていただきたい。

 

発売は全国販売店、及びオンラインストア

 

山田ルーナ - 文

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