ジョイエブリタイム株式会社

「Sleep or Wake up」楽園が描かれた布。Metropolitan Crossbottle × SUGI

「Sleep or Wake up」楽園が描かれた布。Metropolitan Crossbottle × SUGI

2023/04/10

新作を続々と発表しているクリーニングクロス専門ブランド「Metropolitan Crossbottl(メトロポリタンクロスボトル)」だが、今回フィーチャーするアイテムは特に、デザイナーGUSSYのコンセプトである「わくわくこそ、こたえ。」を表すようなデザインではないだろうか。アーティストのSUGI(スギ)が45cm角のクリーニングクロスのために描き下ろしたイラストと、そしてSUGI自身の魅力を探ろう。

アーティストSUGIと、デザイナーGUSSYの出会い。そして「布」

45cm角のわくわくするクリーニングクロス「Sleep or Wake up」を手がけたのは、アーティストのSUGI。1990年三重県出身のアーティストで、デザイナーGUSSYの言葉を借りるなら、高身長の優しそうなアフロである。……と、見た目の特徴を並べてしまったが、その実力はお墨付きだ。アクリルと油絵をメインに制作しており、「MUSIC ILLUSTRATION AWARDS 2017」では、BeamsT賞 を受賞。またヒップホップグループKANDYTOWN関連のZINEやアートワークを手がけるほか、 雑誌の挿絵やイベントでのライブペイント、各地での壁画制作も積極的に行っている。

このコラボのきっかけは、原宿のとある集まりなんだとか。音楽やアートを語り合いながらお酒を飲む場で、GUSSYとSUGIは何度か顔を合わせていた。GUSSYは最初、前述のように「高身長の優しそうなアフロ」とだけ思っており、何をしている人なのかは知らなかったのだという。ただ、心配りの天才で、周りにとんでもなく優しい。そういう姿を見ていて、只者じゃないんだろうなという予感はあったそうだ。

 

転機は、SUGIが「布」について語ったこと。「布ってとても色っぽい。だから、自分は作品に布を入れている」……そのSUGIの言葉に、GUSSYは「分かる!だから自分も布作ってるよ!」と反応した。そこからコラボまではトントン拍子。つまり今回のコラボレーションのきっかけは、「布」に対する美意識の共感だったのだ。

SUGIが布を纏わせる理由。その中にあるものへの想像と、生まれるわくわく。

「布」に対する想いがリンクしたことにより、運命的に決まった本コラボ。それではそもそも、どうしてSUGIは布に魅せられているのだろうか?

 

彼が布を描くことになったきっかけは、幼い頃に胸を打たれた(あるいはトラウマになったと言うべきか?)マグリットの「恋人たち」という絵画。頭部を白い布で覆われたおそらく男女が、布越しにキスしているような作品だ。ただ布で覆われているので、本当のところは分からない。彼らがどのような表情をしているのか、そもそも人間なのか、熱いキスなのか、偶然の衝突なのか。分からないからこそのエロティックのようなものが、作品内で成立している。それは非常に不気味でありながら、不思議と心地良い感覚でもあった。

 

SUGIはそこに、面白さを感じたのだそうだ。布は、見る側の想像力を掻き立てる。その中にあるものを嫌でも思い描いてしまう。それが刺激的で、面白いのだと。

 

だから、SUGIは布を描くのだ。

 

そして本コラボは、布に描かれた布でもある。次に、デザインの詳細をお伝えしたい。

Sleep or Wake up - あなたが見る「楽園」

本作品のタイトルは「Sleep or Wake up」つまり寝ているか起きているか。

片面には青い布を纏ったアフロの人が描かれ、布越しにサングラスを着用している。遠くには街の夕焼けが見え、サングラスもまたその夕焼けを映している。これは私の解釈だが、これが人物なのだとしたら、もしかするとSUGIの自画像でもあるのだろうか。

 

もう片面には、青い布とサングラスだけが置き去りにされている。これらを纏っていた人は、一体どこに行ってしまったのだろう?

アーティストSUGIによる作品解説を、以下にご紹介したい。

 

"布を被っている人物は寝ていて、サングラスに映る夕焼けは見ている夢になります。見ている夢の中をパライソ(楽園)として考え、置かれている状況や場所も、もしかして夢なのかもしれない世界感を表現しています。"

 

SUGIは、彼自身が実際に訪れた場所で受け取った単純な感覚、つまり、美しい、綺麗、楽しいなどのシンプルな感覚を頼りに、その場で歓喜した感情を背景として描いているそうだ。このパライソ、楽園もまた、彼がどこかで触れ、受け取った感覚なのだと思うが、しかしどこかで懐かしさのようなものを感じるのはなぜだろう?

 

もしかすると我々も、人や世界に触れる中で、知らず知らずのうちに夢の素材を集めているのかもしれない。誰かの夢が自分の現実の風景となり、自分が見ている世界がまた誰かの夢となり……そんな確かで不確かなファンタジーを、少なくとも私は、この作品から感じ取ることができた。

 

私は今起きているのだろうか?眠っているのだろうか?今見ている世界は、この楽園は、現実のもの?布を通じて想像力を掻き立てられ、不気味なような、心地良いような感覚に陥る。

 

SUGIは「歓喜する感情に心揺さぶられて描いた自分の作品が、人々の心もまた揺さぶることができた

布に、楽園に、わくわくして。

残念ながら もう完売してしまっているが、同じくSUGIの描き下ろしで30cm角の「Thank you」を、デザインのご紹介だけさせてほしい。

 

こちらも布を被っている人物。本に目を落としているのだろうか?風景を見ているのだろうか?それとももう片面に描かれた記憶の風景(?)を辿っているのだろうか。いや、そもそもこの光景自体、すべて夢なのかもしれない。

アーティストSUGIと「Metropolitan Crossbottl」のコラボは色彩的にも相性が良く、SUGIの持ち味である発色の豊かさ、グラデーションの美しさがその印刷技術の高さ、質の良さによりとても素敵に表現されている。今回は作品にフィーチャーしてご紹介したが、その世界観だけでなくただ単純に色の美しさを味わってもいいだろう。SUGIの操る色味は、ただ手に提げておくだけでもとてもカッコいい。そしてこれこそ、SUGIの言うところの単純な感覚、歓喜する感情なのではないだろうか。

「磨く」「着る」「飾る」が叶う「Metropolitan Crossbottl」だからこそ、この布に描かれた布はより面白さを発揮すると思う。我々もこの布を被って、空想してみよう。その世界が現実でも、夢の中でも、それぞれのパライソ(楽園)が見えてくるはずだ。

山田ルーナ - 文

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