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成熟の欧州、躍動のアジア。シルモ・パリと北京CIOFに見る「アイウェア市場の現在地」とDIFFUSERの確信

成熟の欧州、躍動のアジア。シルモ・パリと北京CIOFに見る「アイウェア市場の現在地」とDIFFUSERの確信

2026/10/30

世界中のアイウェアブランドとバイヤーが集う秋の展示会シーズン。今期DIFFUSER(ディフューザー)は、ヨーロッパ最高峰の「シルモ・パリ(SILMO Paris)」、そして中国市場の熱気を肌で感じる「北京国際眼鏡展(CIOF)」という、全く性質の異なる2つの国際展示会に出展した。

 

ヨーロッパの「成熟」と、中国の「激変と躍動」。世界的な景気減速や中間層の購買力の落ち込みといった課題は共通しているものの、市場の質や熱量、そしてバイヤーの動きは、地域によって驚くほど対照的だ。 2つの展示会から見えてきた世界市場のリアルと、その中で見出したDIFFUSERの確固たる手応えについて、現地の写真とともにレポートしたい。

シルモ・パリ。成熟市場で実証された「継続性」という価値

今年のシルモ・パリは、ローマ教皇の訪仏に伴うコンコルド広場周辺の交通規制など、都市全体が緊張感に包まれる中での開催となった。「会場を巡る熱気とバイヤーの質にはヨーロッパ市場ならではの特徴が色濃く現れていた」と、DIFFUSER代表の広瀬氏は振り返る。

ヨーロッパは言わずと知れた「成熟した市場」だ。社会的な階級構造が確立されており、上質なものを知る富裕層の顧客基盤は固い。一方で、市場全体のパイ自体が爆発的に広がることはなく、すでにシェアを奪い合うフェーズにある。

 

そうした環境下において、今回のシルモで最も大きな成果となったのは「継続性の実感」だ。

 

新規のバイヤー獲得も、もちろん重要ではある。しかしそれ以上に、過去に取引のあった既存顧客が当たり前のようにブースを訪れ、リピート注文を重ねてくれたこと、そして様々なコラボレーションパートナーとの関係性が一過性ではなく「持続的な線」として繋がっていることの重要性を、再確認できた展示会だったのだそうだ。

発注規模の大小は問題ではない。毎年多額の予算をつけて発注する店舗もあれば、少額の発注をコツコツと続ける店舗もあるだろう。また、注文のサイクルが早い店もあれば、ゆっくりと時間をかけて消化する店もある。だが、その差は単にお店のキャパシティやスケールの違いに過ぎず、ブランドにとっての「価値」としては何ら変わりがないのだ。

 

一発の爆発力ではなく、予算やサイクルの異なる世界各地のショップにおいて、DIFFUSERのプロダクトが「彼らのビジネスや店頭にとって欠かせない定番」として深く根付いていること。この揺るぎない信頼関係の継続こそが、ヨーロッパというシビアな成熟市場における真の成功の証と言える。

北京CIOF。若きエネルギーとオセロのように翻弄する巨大市場

シルモ・パリを数週間後に控えた9月初頭。実はDIFFUSERは、北京にも訪れていた。「チャイナ・インターナショナル・オプティカル・フェア(CIOF)」への初出展である。

中国市場といえば上海の規模が突出しているが、それに次ぐ北京のCIOFも、日本国内の展示会とは比較にならないスケール感を誇る。来場者の層も東南アジア、ロシア、そして中国全土からと非常に幅広い。

 

現在の中国市場は、一言で言えば「激変の渦中」にある。そもそも、中国のアイウェア市場への参入障壁は決して低くない。創業時に正規の輸入・通関プロセスをはじめ諸手続きを整えていなければ、参入すら叶わない厳しい世界だ。

だからこそ今回は、独立系クラシックアイウェアブランドとして確固たる地位を築く「カメマンネン(KameManNen)」とブースを共有する形で、まずは市場の反応を確かめるような気持ちで出店を決めたのだそう。しかし蓋を開けてみれば、その手応えは期待と予測をはるかに上回るものだった。

 

中国市場の今を象徴するのは、若いオーナーたちの圧倒的な熱量と実力だ。世代交代が進み、若い感性を持つショップオーナーが台頭している。ヨーロッパのような成熟した市場とは異なり、新興勢力と若いエネルギーが渦巻く市場は、まるでオセロの盤面がひっくり返るかのようなダイナミズムと一発逆転の可能性を秘めている。今後10年、20年と、年数%ずつの成長を続けるに違いない中国アイウェア市場の潜在能力は、やはり他の国や地域を圧倒している。

また、以前の代理店経由でDIFFUSERを知っていた既存のバイヤーたちが「ようやく直接商品を見ることができた」と戻ってきてくれたことも、大きな収穫だった。画面越しや代理店越しではない、プロダクトの本質的な質感と世界観を直接伝えることの重要性を痛感した瞬間でもあった。

市場のグラデーションとDIFFUSERの揺るぎない立ち位置

欧州とアジア。2つの展示会を通じて浮き彫りになったのは、両市場の明確な立ち位置の違いだ。
シルモ・パリを通じて見た ヨーロッパは、富裕層や階級ごとの市場が確立された「成熟と奪い合い」の市場。ここでは、一発の爆発力よりも「信頼の継続」や「欠かせない定番としてのポジション」が評価される。

一方、北京CIOFに見る中国は、若い世代の勢力が台頭し、市場のルールや勢力図が目まぐるしく変わる「躍動と波乱」の市場。参入のハードルは高いが、ハマったときのリターンと成長スピードは絶大である。

世界的な不況や中間層の伸び悩みという課題は共通しているものの、市場が置かれているフェーズによって求められるアプローチは全く異なる。 だが、どんな市場であっても変わらない真実がひとつある。それは、時代や国境を超えて選ばれ続けるのは、一時のトレンドに流されるものではなく、ユーザーやバイヤーの生活に「なくてはならないもの」として寄り添うプロダクトだということだ。

 

パリでの確かな「信頼の継続」と、北京での「新たな熱狂と再会」。対照的な2つの展示会で得た手応えは、DIFFUSERというブランドが描くグローバル戦略、そして何よりプロダクトに込めてきた想いの正しさを、強く物語っているようだった。

 

新たな風を追い風に、DIFFUSERの挑戦は止まらない。まだ見ぬ世界中のパートナーと巡り会うため、ブランドの旅路はこれからも続いていく。

山田ルーナ - 文

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