ジョイエブリタイム株式会社

DIFFUSERのシルバーアクセサリーと職人。ものづくりのその先へ。

DIFFUSERのシルバーアクセサリーと職人。ものづくりのその先へ。

2021/08/09

アイウェアアクセサリーブランド〈DIFFUSER(ディフューザー)〉のアイテムに、「シルバーアクセサリー」というカテゴリーがあるのをご存知だろうか。Silver925製のシルバーパーツが用いられたグラスコードやグラスホルダーは、ネックレスやブレスレットとしてなど2wayで使えるものが揃い、実際「シルバーアクセサリー」と呼ぶにふさわしい見た目をしている。それらは男性がオンでもオフでも楽しめる、アイウェアアクセサリーを超えたファッションアイテムだ。

今回の記事では、このシルバーアクセサリーにフィーチャー。〈DIFFUSER〉のすべてのシルバーパーツをたった一人で作っている職人にも、話を聞いた。

ひとつのシルバーパーツができるまで

〈DIFFUSER(ディフューザー)〉のシルバーパーツを見たことがある方なら分かるだろうが、アイウェアアクセサリーのシルバーパーツって、かなり小さい。本ウェブサイト内の記事「DIFFUSERのプレミアムな新作グラスコード。小さなシルバーパーツで、大きな豊かさを。」でフィーチャーした「THREE WAY 925 ITALIAN LEATHER CORD」のシルバーパーツなんて、それぞれわずか数ミリだ。

 

だけど、これがあるのとないのとでは、印象がまったく違う。レザーのやや無骨な雰囲気と、洗練された控えめなシルバーは、意外と相性バツグン。大人の男性に合う、おしゃれで色っぽいデザインに仕上がっている。

どれほど小さいパーツでも、その製造には大変な技術と時間がかけられている。

 

これらのパーツ作成は、まず原型を作るところから始まる。職人が、デザイナーの原案(デザイン)から意図をくみ取り、イメージを共有し、確認図や試作を経て原型を作る。もっとも時間や手間、そして神経を要する工程だそうだ。

 

次に、キャスト(鋳造)と呼ばれる、銀地金を流し込む作業。この工程もまた、繊細な技術を要する。 まず先のモチーフとなる原型を、ロウソクのようなワックス(WAX)で作成し、この原型を石膏で固め、さらに焼成する。そうすることで原型のワックスが溶け、空洞を作り、そこに素材となるシルバーを流し込む。その後 石膏型を壊すことで、シルバーパーツを取り出すという作業だ。
これはロストワックス製法と呼ばれ、お読みいただいたとおり 非常に手間のかかる製法だが、柔らかいワックスを用いるため繊細な表現がしやすく、一般的にジュエリー業界で重宝されている。

 

そして、研磨。

まず、キャスト(鋳造)で生じる硬い被膜を磨き落とし、表層の繊細な凹みや機密性の低い部分を締めるように、表面を滑らかにしていく。その後、細かい部分から始め全体的に、バフ(羽布)・シリコンポイント・ヤスリなどの工具を使い分けつつ丹念に磨く。それから洗浄機にて洗浄し、光沢出しを慎重に行う。

 

最後にメッキ(鍍金)。独特の色合いを出すためや、硫化による変色を防ぐために、研磨した表面に電気メッキをかけ、ロジウムの皮膜で覆う。

 

その後必要に応じて、革へのカシメ付けなど、仕上がったパーツを取り付ける作業を行い、やっと完成となる。

シルバーは、K18やプラチナなどその他の貴金属に比べ、多くの手間や注意を必要とするという。例えば研磨では、シルバーは刺激に弱く曇りやすいため、洗浄機を使用する際、温度や超音波の量に細心の注意を払う必要がある。また、手の脂や皮膚の凹凸でも傷や曇りが生じてしまうので、あらゆる場面で手袋やセリートが必須だ。

 

これだけ細やかなパーツを、一つ一つ手作業で仕上げていくのだから、途方もない。上述のアナログな製法を知ると、アイウェアアクセサリーにこのようなシルバーパーツが使われていることを、より贅沢で素敵なことだと感じられるのではないだろうか。

職人のこだわりと、挑戦

〈DIFFUSER(ディフューザー)〉のシルバーアクセサリーは、一人の職人が製作している。デザイナーがものづくりの姿勢に共感し 依頼をしている、熟練の職人だ。

 

「指輪」や「ネックレス」などの一般的なシルバーアクセサリーと、アイウェアアクセサリー用のパーツでは、おそらく製造にあたっての視点や注意点も大きく違ってくるだろう。実際〈DIFFUSER〉らしいレザー×シルバーの組み合わせや、スマートで洗練された雰囲気には、当初戸惑いもあったようだ。

 

「ただ、いざ試してみると、銀地金と革はどちらも天然素材なので相性が良く、金属だけでは限定されてしまう色彩感も豊かに表現できることが、斬新で興味深いものでした」と、彼は話す。

 

また、シルバーは前述のとおり繊細で安定感がなく、手間やコストと需要とのバランスも悪いとされてきたため、宝飾業界ではあまり使用してこなかった素材だそうだ。「シルバーアクセサリー」や「シルバーブランド」と聞いたとき、髑髏やクロスなど、風合いのあるゴツゴツとしたモチーフが思い浮かぶ理由は、シルバーの加工しづらいというマイナス要素を逆手にとって、風合いとしてウリにしているところが多いからだろう。

 

しかし〈DIFFUSER〉のシルバーアクセサリーのパーツは、そんなシルバーを鏡面状にし、滑らかなテクスチャーの上に美しい細工を施すなど、あえて手間をかける。

 

「正直かなり難しいですが、Silver925ならではの金剛光沢を引き出せたときは、やはり嬉しいです。〈DIFFUSER〉ならではのデザインに落とし込まれたシルバーを、これからも自分なりに、さらに深められるような発想ができたらと考えています」

 

熟練の技術を持っていてもなお、新しい景色を楽しみつつ、デザイナーの理想になるべく追いつきたいと意欲を燃やすその姿に、筆者は職人としての誇りと挑戦することのかっこよさを感じた。

数値化できない手仕事の面白さ

先の職人に思い入れのあるアイテムを尋ねると、「SILVER ENGRAVE GLASS HOLDER」とお答えいただいた。

このアイテムは〈DIFFUSER(ディフューザー)〉の初期から展開しているアイテムで、今でも定番として展開されている。

|日本古来より伝わる彫金加工により、宝石のように輝くシルバーリング

繊細な彫金加工が施されたシルバーリングが印象的だが、これは半分職人のアイデアらしい。

 

ここにキラキラとボリュームのある模様をつけたいというデザイナーの大まかなデザインのもと、職人が彫りの深い/浅い/細かい/粗いを煮詰めた上で、角度を変え、強弱をつけ、鏨(たがね)を持ち替えつつドットを打ち込んでいく。

 

ひとつのリングに、およそ30分。

 

熟練の技術と感覚による、数値化できない手仕事の面白さ。その温かみが、〈DIFFUSER〉のデザインを支えている。

「シルバーアクセサリー」に分類される、シルバーパーツが印象的にデザインに組み込まれたグラスコードやグラスホルダーは、どれも唯一無二だ。

 

志をともにする職人とともに、〈DIFFUSER〉はこれからも新たなデザインを発信していく。

 

ものづくりのさらにその先にあるロマンを、きっと感じていただけるだろう。

 

シルバーアクセサリーはこちら
▶︎ DIFFUSER online store「シルバーアクセサリー」

 

山田ルーナ - 文

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