「なんでもない日」を特別にする、色彩豊かなクラウンパント。Mr.Gentleman EYEWEAR新作
2022/03/28
個人的に、クラウンパントが好きだ。自分の顔に似合うと思っているのもあるけど、そうじゃなくても、この型自体に小洒落た印象を受けるから。一癖あるように見えてスッと顔に馴染むので、ついこればかり買ってしまう…というクラウンパントファンの方も多いのではないだろうか。
今回は「Mr.Gentleman EYEWEAR(ミスタージェントルマンアイウェア)」新作にフィーチャー。このたびクラウンパントモデル「Carroll(キャロル)」が登場。このブランドらしい色彩豊かなアセテートフレームが、5色揃った。これからの季節に身につけたいこの新しいアイウェアについて、ご紹介したい。
玄人ウケする、ジェントルスタイルなクラウンパント
クラウンパントって、時代を感じさせない魅力…みたいなものがないだろうか。
その歴史は意外と長く、実はフランスで50年代~60年代に流行したクラシックデザインだそうだが、しかしながらその形には、ちっとも古臭さがない。いつまでもどこか新鮮で、現代的な印象さえ受けることもある。
そして「Mr.Gentleman EYEWEAR(ミスタージェントルマンアイウェア)」のクラウンパントは、特に、その都会的な雰囲気が強いように感じる。王道でありながら異端。このブランドが元々もつ絶妙なバランス感覚が、クラウンパントというフレームにぴったりとハマっているのかもしれない。
ご存知「Mr.Gentleman EYEWEAR」は、2012年にスタートした日本のアイウェアブランド。広島のオプティカルストア〈SENSE〉のオーナー高根俊之(こうねとしゆき)氏が、自身の店で感度の高いセレクトをおこなうだけに留まらず、自らデザインを手掛けることで始まったブランドだ。今やアイウェアストアが独自に持っているプライベートブランドという枠を超え、ハイブランドとも比肩するクオリティで人気を集めている。コンセプトは『憧れを生み出す物』。展開されるメガネやサングラスは、高根氏が幼少期から憧れ影響を受けてきたミュージシャンや俳優、映画、音楽などにインスパイアされていて、ほとんど全てに人物の名前が付けられていることが特徴だ。
前回の記事では「Mr.Gentleman EYEWEAR」取扱店舗として『阪急メンズ大阪』を取材させていただいたのだが(取材記事はこちら「メガネのプロが、惚れこむメガネ。Mr.Gentleman EYEWEAR取扱店「阪急メンズ大阪」インタビュー」)、その時も感じたのは、このブランドが アイウェアブランドの中でもとりわけ"玄人ウケ"するブランドだということだ。
それは、デザイナー自身がアイウェアストアのオーナーとして、様々なブランドの様々な製品を手に取り、身につけてきたからこそ、実現できることなのかもしれない。十分な経験によるアイウェアへの深い造形とセンス、そして常にエンドユーザーと接しているからこその"いま"の流行への理解が、「Mr.Gentleman EYEWEAR」のプロダクトには詰め込まれている。
クラウンパントに関してもそう。
「Mr.Gentleman EYEWEAR」のクラウンパントがちょっと特別な理由は、クラシックを噛み砕いて"いま"に向けたデザインをしているからだ。高級感のあるアセテートやリベットなどの素材感、そして絶妙な傾斜角などにみられる「Mr.Gentleman EYEWEAR」ならではの機能美的デザインが、唯一無二の雰囲気を作っている。
クラウンパントフレームは、現在アジア圏で特に人気が高いそうだ。柔らかい雰囲気ながら顔の印象を程よく引き締めてくれるこのフレームは、なるほど、アジア人の顔立ちと相性が良さそう。
「Mr.Gentleman EYEWEAR」はアジアを中心に海外でも取り扱いがあるが(海外取扱店舗はこちら「「新しいクラシック」を世界に。ミスタージェントルマンアイウェア国内外主要取扱店舗」)、この新作「Carroll」もまた、受け入れられるに違いない。
花咲くように色彩豊かなアセテートフレーム
「Mr.Gentleman EYEWEAR(ミスタージェントルマンアイウェア)」新作「Carroll」。 リム上部の控えめな直線と下部の丸みのバランスや、テンプルからモダンにかけてのシェイプ、ヨロイのリベットなど、ポイントはいくらでも挙げられるが、今作最大の特徴として、その素材感と色展開について触れておきたい。
今回展開するのは5色。どれも肉厚ながらみずみずしい透明感があり、爽やかな印象を受けないだろうか。どんなに奇抜な色でも、高級感を持ち合わせているところがさすがだ。
「Mr.Gentleman EYEWEAR」のアセテートフレームには、元々定評がある。
最高の素材を用いて、最高の職人の手により仕上げられるフレーム(製造背景についてはこちら「日本の眼鏡産業という誇り。ミスタージェントルマンアイウェアの最高のアセテートフレーム」)。妥協なく作っているからこそ、見た目とかけ心地のバランスが良く、アイウェアをかける自分だけでなく その姿を見る他人の目さえ、あるいは楽しませることができる。
このあたりのカラーをよく見てみてほしい。
ぱっと花が咲くみたいに、華やかで愛らしい。見ているだけで幸せな気持ちになれないだろうか。 ジュエリーを身につけるように選んで、春のひとときに色を添えたい。
ピンクは、サングラスにしても可愛いだろうなぁと妄想中。(筆者は絶賛サングラスを探し中)
花咲くように、色彩豊かなアセテートフレーム。眺めているだけで心が躍る、これからの季節にぴったりのアイウェアだ。
「なんでもない日」を特別にするメガネ
最後にちょっとだけ、小噺を。
先に触れたように、「Mr.Gentleman EYEWEAR(ミスタージェントルマンアイウェア)」のコンセプトは『憧れを生み出す物』。展開されるアイウェアは、高根氏が幼少期から憧れ影響を受けてきたミュージシャンや俳優、映画、音楽などにインスパイアされていて、ほとんど全てに人物の名前が付けられていることが特徴だ。
さて、それでは、今作「Carroll」は、誰の名前なのだろう?
…正解は、ルイス・キャロル。
ご存知の方も多いと思うが、「不思議の国のアリス」の作者であり、本職は数学者である。
今作「Carroll」は、いわば「Mr.Gentleman EYEWEAR」の文豪シリーズ。以前フィーチャーでご紹介した、ボストンメガネ「SAGAN」の派生モデルでもある。(参考記事はこちら「憧れを、今。ミスタージェントルマンアイウェアの新作シリーズ」)、
「不思議の国のアリス」はシュルレアリスム文学の先駆けとされており、後の多くの文人に影響を与えたが、その評価は専門家だけにとどまらない。
ディズニーのアニメーション映画で親しんできた方も多いのではないだろうか。
愛らしい絵で展開される、不思議な世界。登場人物は皆インパクトがあり、幼い頃の記憶に強烈に残っている。
いくつかの印象的なセリフがあるが、特に思い出すのはこれだ。
This is an unbirthday party!
「なんでもない日おめでとう!」と訳されることが多い、マッドハンターという帽子屋のこのセリフ。
なんてことない毎日だけど、誕生日でもなんでもないけれど、そんな「なんでもない日」を特別にするのはいつだって自分だ。 そんな当たり前のことを考えながら、「Carroll」を身につけてみる。
この穏やかな春、色彩豊かなクラウンパントの力を借りて、どこまでも自由なイマジネーションの世界へ駆けていきたい。
山田ルーナ - 文